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『万物クラフトの落ちこぼれ土木兵、戦場を脱出して地下要塞を作ります〜老犬シュナと迷子のチビ竜と始める、快適すぎる洞窟スローライフ〜』

作者:noanoa
最新エピソード掲載日:2026/09/28
 「レオ。お前はここに残れ」

 百人隊長にそう言われた。
 殿(しんがり)というやつだ。要するに、そこで死ねという意味である。

 いや、僕、土木兵なんだけど。
 持ち物、柄の折れかけた円匙一本なんだけど。

 というわけで、逃げました。
 お爺ちゃん犬のシュナと一緒に、崖の横穴へ。

 入り口を塞いだら、爆音が消えた。
 発光苔を灯して、冷たい泥をこねて、あったかい土のベッドを作る。

 ……あれ。
 これ、けっこう快適じゃない?

 そこから僕は、のんびり地下を掘り広げることにした。

 行き倒れていた泥竜の子・ムクを拾って、転んでも痛くないように床をぷにぷにの泥でコーティング。
 勝手に出ていかないように、ベビーゲートも設置。

 泥だらけで笑うムク。
 やれやれと孫を見守るシュナじいちゃん。

 うん。平和だ。

 ――なのに。

 換気口から落ちてきた騎士は、僕のクッション床を見て震えた。

 「大砲すら弾く超硬度装甲……!」

 ベビーゲートの前では平伏した。

 「物理と魔法を完全に遮断する、神話級の絶対防壁……!」

 忍び込んできた敵兵は、ムクが遊びで掘った泥の迷路で勝手に力尽きた。

 「盟主様は、指一本動かさず敵を無力化なさった……!」

 いや。
 僕、晩ごはん何にするか悩んでただけなんだけど。

 家族のために家をDIYしていたら、いつのまにか難攻不落の要塞ができていた男の話です。
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