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「 九人の僕がいる半分異世界 〜恐怖心だけ忘れてきた僕は、残りの僕を探して魔王退治にでかけます! ......が、英雄たちからは警戒され、案内役の少女はなぜか僕にだけ距離が近くて困っています 」

作者:カクしかじか
最新エピソード掲載日:2026/06/17
目が覚めると、そこは真っ暗な空間だった。

なぜか裸。
なのに、自分の体だけははっきり見える。

そして何よりおかしいのは――怖くないことだった。

どうやら僕は、「恐怖心」だけをどこかに置き忘れたまま、日本によく似た異世界へ放り込まれてしまったらしい。

飛騨の国、愛知国、京都帝国、その他いろいろ。
そこでは王が国を治め、英雄がいて、魔王までいる。
見慣れたようで未知なる世界だ。

しかも、この世界には僕以外にも九人の“僕”が存在するという。
彼らはすべて、「真の僕」から生まれた分身。
それぞれが、「真の僕」の長所を極端に尖らせた存在らしい。

長所を尖らせた僕が九人もいるなんて、考えただけで強そうだし、モテそうだし、楽しそうだ!

問題は、その九人のうち、僕に割り振られた長所がかなり妙なものだったことだ。

恐れを知らない。

……いや、かっこよく言えばそうなのだが、実際はただ怖がる機能が行方不明になっているだけである。

危険を前にしても、無駄に冷静でいられる。
偉大な英雄に睨まれても、ひるまない。

おかげで周囲からは勝手に「あいつには何かある」と勘違いされてしまう。
目立っていいことなんて何もないのに……

しかも、その妙な「何かある感」は、女性たちにも刺さってしまうらしい。
長所としてはいまいちパリッとしない気もしていたが、どうやらそう悪くはないらしい。
少しホッとした。

モテるのはいいことだ。
いいことなのだが、嫉妬まで買ってしまうとなると話は別である。
ほどほどにしておかないと。
完全アウェーの異世界で同性を敵に回すなど、考えただけで恐ろしい。
……恐怖心はないのだけれど。

よく考えてみると、その欠けた心こそが、この世界では最大の武器になるのかもしれない。
要は、自分の振る舞い方次第ということだ。

そんなわけで僕は、「真の僕」が壊れるのを防ぐため、旅に出ることになった。
どうやら、魔王を倒せばいろいろうまくいくらしい。

九人の“僕”。
勘違いしてくる英雄たち。
なぜか距離を詰めてくる女性たち。
そして、倒すべき魔王。

真の僕を救うため、異世界を舞台にした少し変わった魔王退治の物語が始まります。
第一章 始まりの村と十七年の謎
第1話 それぞれの転生
2026/04/19 08:45
第2話 黒歴史の取り調べ
2026/04/19 12:10
第5話 記憶にあるもの
2026/04/21 20:35
第6話 異世界の村
2026/04/22 20:00
第7話 恋のフラグ
2026/04/23 20:10
第9話 国の話と、あの名前
2026/04/25 20:31
第10話 夢に見すぎた彼女
2026/04/26 16:17
第12話 村長さんの裁き
2026/04/28 21:51
第13話 戦神の余生
2026/04/29 17:07
第16話 昨日と17年
2026/05/02 20:07
第17話 有罪確定
2026/05/03 10:10
第18話 謝罪の椅子
2026/05/04 12:30
第19話 やり直しの自己紹介
2026/05/05 14:10
第20話 ビアンカの提案 
2026/05/06 18:10
第二章 旅の始まり
第21話 ドキメモ作戦
2026/05/07 19:32
第22話 手乗りドラゴン
2026/05/08 20:12
第23話 森の王国の政変
2026/05/09 20:48
第25話 付き合いはじめ?
2026/05/11 20:27
第26話 戦線離脱
2026/05/12 19:14
第27話 ビアンカの適性
2026/05/13 20:08
第28話 残酷なステータス
2026/05/14 22:40
第29話 特記事項
2026/05/15 23:10
第31話 最初の適性像
2026/05/18 23:03
第32話 ナオえもんの数値
2026/05/20 22:37
第34話 争い
2026/05/27 23:10
第40話 敵の援軍
2026/06/13 19:33
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