第2話 黒歴史の取り調べ
お読みいただきありがとうございます!
早くも第2話の更新です。
本日この後は、18:00に第3話を投稿予定です!
引き続き、全裸男の奮闘をお楽しみください。
「異世界?半分正解だな。」
「え?」
「ここはお前の頭の中だ。お前は複数いるお前の中の一人だ」
「は?」
「そして、我はそれらを把握する、お前自身だ」
「え、いや、あの。。。お前がお前で僕もお前で???」
なにそれ???
何を言っているんだ?
頭脳派主人公、開幕三十秒で脱落なんですけど。
わけがわからない。
【理解度:2(E判定) 志望校の変更が必要(頭脳派からの変更)】
「お前は、お前が今までの人生で妄想してきた“かっこいい自分”、“なりたかった自分”、そのうちの一人だ」
「そのうちの一人って、どういう意味だよ?」
「そもそも頭脳派主人公になりたいなんて思ったことないぞ。」
さっきまでノリノリで分析してたけど。。。
ふむ。
「本来はいかんのだが、特別に少し付き合ってやろう」
「お前は寝る前にいつも妄想していた。」
「小学生の頃のなりたかった自分を覚えているか?」
「小学生??」
「えーーーーっと、そうだな。クラスで一番足が速かった自分、とか?」
「ちがうな。お前はもっと恥ずかしい人間だ。」
「ぐっ。」
「お前が夢見ていたのは、クラスで一番足が速くて、学年中の女子に「かっこいいっ」と思われてる自分だ。」
「ちょ、え?」
「しかも、本人はそれに気づかず、好きな子にナチュラル優しくして、勝手に惚れられていく自分だな。」
「な、な、な、なぜそれをぉぉぉx---------!!!」
僕の顔が真っ赤になる。脈拍があがる。一瞬ですさまじい汗がでた。
【警告:精神防壁に亀裂を確認】
羞恥心による熱量:限界ライン
脳内冷却システム、フル稼働開始しました。
「ふっ」
「中学生のお前は、冒険者に憧れた。」
はわわっ
「しかもただの冒険者ではない」
「スピード系剣士だ。」
「素早く、強く、ちょっと無口で、女子には優しい」
「や、やめろ。やめてくれ。頼むからそれ以上は。。。。」
「ダメなの。その先はほんとにダメなやつなの。。。」
「理解に苦しむが、なぜか学校のクラスがモンスターに襲われた。」
「他の男子もいる中、なぜか多くの女子がお前の背中に隠れる。」
「そしてお前はこう言うのだ」
『……ったく。なんで俺ばっかり守るやつが多いんだよ……』
「不満そうにそう呟きながらも、傷つきながら女子を守り抜くお前」
「その背中に恋に落ちる女子たち」
「中二も中二だな」
「gぃべらぎぃx----hgsfdjgsfぢgh---!!!!」
「やーーーーーーめーーーーーろーーーーーーー!」
「そ、それ、僕の心の一番柔らかいやつーーーーっっっ!!!」
スパイラル 蒼空剣ってなんだ?
死ぬぅぅっーーーー。死んでしまうぅぅぅーーーーー恥ずかしさで死ぬぅぅぅっ!!
体温上昇、脈拍測定不可能、発汗異常、うごぉぉーーーーーーーー!
【警告:精神防壁の崩壊を確認】
羞恥心による熱量:膨大。観測不能。
脳内冷却システム、稼働を放棄しました。
「ほう。本当に死にそうだな。」
「今死んだら死因は恥死か。。。」
「どうだ?高校生のお前も聞きたいか?」
「頼みます!! お願いです!! これ以上は! これ以上はぁぁーーっ!!!」
「ほう。これ以上もっと聞きたいか。見上げた根性だ。ならば聞かせてやろう」
「やーーーーーめーーーーーてーーーーーー!!!」
「日本語の解釈が強引すぎるぅぅぅーーーーー!!!」
「高校生にもなって、お前はまだまだ冒険者に憧れ中だ。」
「やーめーてーくーだーさーいぃいいいい!!!」
「お前はやはりスピード系剣士だ。速く、強い。」
「クラスで冒険にいく、敵を倒す。疲れる。偶然女子と2人になる。」
「それはっ、それはあれです。違うんです!」
「中学から少し成長した僕の、甘酸っぱい演出なんです!青春のやつなんです!!」
「座っているうちに、お前は少しだけ眠ってしまう。」
「ぐらっとなって女子の方にもたれかかる。」
「女は顔を赤らめながら言う「……今回だけ、だからね?」」
そよ風が吹き、フワっと髪が流れる。
「お前、バカなのか?」
「うぅぅっ。お願いです。殺してください。一思いに殺っちゃってください。」
「恐怖心はなくしたようですが、羞恥心は残ってるんです。」
「もう全身灰色なんです。」
【報告:全精神防御システムダウン】
これより完全無防備となります。
僕はもうフラフラだ。
両手両膝を付き、頭もうなだれている。
変な汗は凄いし、体の震えが止まらない。
意識も何度か飛んだ。
恥死はある。確実にある。精神は肉体に影響を及ぼすんだ。。。
心を読まれるってヤバイ。ヤバすぎる。
「勘弁してください。お願いです。。。」
もう無理だ。これ以上は本当に無理だ。
冗談じゃなく、まじめに、僕の精神はすでにぽっきり折れている。
「ふふっ。だいぶわかってきたようだな。」
その声には、さっきまでの響きとはまた違う、別の色が混じっていた。
「よい。では、本題に入ろう」
「お前には、真のお前のために働いてもらおう。」
「働く?」
反射的に聞き返してしまった。
「いえ、すいません。なんでもないです。」
「はい。働きます」
「ですからこれ以上アレだけは。。。」
僕はほぼ土下座状態で、必死にお願いしていた。
「安心しろ。我もお前に恥死されても困る。」
「ほ、ほんとですか?ありがとうございます…」
僕は涙と鼻水でめちゃくちゃな顔をなんとか上げた。
よかった。アレ地獄はここまでらしい。
「それで、僕は具体的に何をすればよいのでしょうか。」
「では教えてやろう。」
その声が、ほんの少しだけ楽しげに揺れた。
妙に温かくて、女性のようなやわらかさがあった。
「旅に出よ」
僕は、言われたことの意味は全く分からなかった。
第2話 完
第2話をお読みいただき、ありがとうございました!
僕の現状 恥死度99 服従度100 アレだけはやめて度120
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「僕」の恥死度がわずかに下がります(たぶん)。




