表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/21

第1話 恐怖心を忘れてきた

初めまして。ご覧いただきありがとうございます。

20話までは毎日更新していきます。

よろしくお願いします。

第一章 始まりの村と十七年の謎


第1話 恐怖心を忘れてきた


さて、急がねばならんな。

真の我が生み出した9人と、案内役が2人。

合計11人も送り出さねばならんのだ。

大仕事だが、それぞれどんな奴が来るか楽しみである。


最初は案内役、男か・・・


―――――――――――――――――――――――――――――


目を開ける。

???…真っ暗??

あたりを見回すしてみるが、やはり何も見えない。

ん? おおっ! か、体、は、見える。手も足もそして…

男、だな…… 当然だ。


真っ暗闇、自分の身体だけ見える、暑さ、寒さの感覚が無い、地面の感覚もない。

どうなっている?

さ、さすがに怖いな。恐怖を感じる。

なにか、なにか考えて、正気を保たねば!

でないともたない…


よし!まずは、そうだな…

異常だな。

考えて理解できる状況ではない。


では、この後俺の身に何が起こる?

1,いきなり攻撃を受ける。

2,言葉をかけられる。

あとは…

3、夢から覚める…くらいか。できれば3番目をお願いしたいものだな。


1の場合は今の段階では対処のしようがないな…

では2を考えるか。

言葉をかけられた場合、目的はなんだ。交渉?命令?勧誘?


「気付いたか???」


「・・・」

に、2できたか。

わ、悪くはない。。。


「何者だ?」


「ほう。」

「冷静沈着、度胸もある軍師タイプか」

「いかにも真の我が好きそうなタイプだ」


「・・・」

軍師タイプ? 

なんだ?争いごとへの協力か?

真の我?

なにか特別な言い回しか?


俺が言葉を発するには、まだ早いな…待った方がいい…


「お前にはあれこれ説明するより、自分で考えさせて方がよさそうだ」

「次も詰まっていることだしな」

「後で、指令書を見ておけ」


「・・・」


「ではいけ」


ん?なんだ??

押される?引っ張られる?

「う、うぉぉーーーーーーーーーーーっ」


期待しているぞ。

よし、次だ。

次は案内役、女か。…


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


んんーー……いたた……なんか頭いたいな……。

上半身を起こす。軽く頭を振って周りを見る。

ちょ、なに? 真っ暗??? なになに???

…え?は、はだか???

なんなの? どうなってるの?

【混乱・中】


「気付いたか???」


「きゃぁっ!!!」

 なに?だ、誰かいるの???

 

「うむ。しっかり女を再現されているようだ。」


お、女を再現???

「っっっ… きゃぁーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!」

 両手で胸を隠し、座っている脚を閉じる。

 【混乱・強】


「静かにせよ」


(「静かにせよ」→脳内変換→「泣いても叫んでも無駄だ」)

【混乱・凶】

「いやぁぁぁx――――っっ!!!」

「だれかぁぁぁx―――――っ!!」


「黙れと言っておるのだっっ!!!!」


(「黙れ」→脳内変換→「大人しく儂のものになれ」)

【混乱・凶】


「いや!いやよ!!」

「わたしは、わたしは、それより死を選びます!!」


「な、何を言っておるのだ、お前…?」


(「何を言っておるのだ」→脳内変換→「では家族はよいのだな?」)

【混乱・凶】

「ひ、卑劣な……。わかりました。あなたの妻となりましょう」


「お前、頭おかしいのか???」

 だめだ。話が通じん。


「もうよい!」

「我はこの後も忙しいのだ。」

「話の通じぬお前にかまっている時間はない」


……→脳内変換→「さぁ、こっちへ来い。げへへ」

【混乱・凶】


「私がこんな男に… 好きにしなさい。だが心までは奪えない!」


うるせえな。


「もういい」

「時間だ、行け」


「お前は案内人だ、分かったな!」

「それから、これは後で読んでおけっ」


次の瞬間、光が表れ、世界がぐらりと揺れた。


「きゃぁーーーーーーーーーーーー」


ふぅ、行ったか…

あれで案内が務まるのか…。

真の我もいよいよ限界なのかもな。。。


まぁよい、次だ。

次が案内人ではない、本当の1人目だな…


---------------------------------------------------------------------

1人目


いてて。なんか頭いたい……。

真っ暗だ。なんだなんだ?

ちょ、誰か? 誰かいませんか??


……返事はなしか……。


な、ら、ば……

これでもくらえ!

シュッシュッ!!

ワンツー! ワンツー! ワンツーツー!!!


僕はボクササイズでやった動きで、闇に向かって攻撃してみた。


「ほう。今回のやつは、考えなしに元気がいいな」


「うわっ!!!」


その場でぴたりと止まる。

今のは、確かに声だった。

なのに、どこを見ても真っ暗なままだ。


「だ、誰だ!?」


「お前は説明しても理解しなさそうだな」

「案内人にゆっくり教えてもらえ」


次の瞬間、光が表れ、世界がぐらりと揺れた。


「え? え? え?」

「うわぁーーーーーーーーーっ!」


--------------------------------------------------------------------------------------------

9人目


いて。いてて。頭が痛い。

なんだ? どうなってる?


真っ暗だ。

なのに、なぜか自分の体は見える。腕も、足も、腹もある。裸だけど。。。

真っ暗闇の中で裸って、なかなか無いぞ!

あーあ、男だし、全然おもしろくもない。。。

【僕:男度99】


それにしても妙だ。

裸なのに、服を着てない時のあの感じがない。

全身の熱が逃げていくような涼しさ、肌寒さも感じない。

股間がスースーする、あの感じすらない。


さらには、寝ていたはずなのに、背中に床やベッドの感覚もない。

かといって、浮いている感じでもない。


どーなってるんだ。


バタバタと暴れてみる。首を振る。大声を出してみる。

身体は動く。手足も普通に動くし、声も出る。そこに違和感は無い。


とりあえず体を起こして胡坐をかいてみる。

少し頭痛は残っているが、それ以外は普段の感覚と何も変わらない。

・・・と思う。


ふぅ。

真っ暗とはいえ、知らない場所であそこがフルオープンなのは気が引けたので、三角座りに座り直してみる。


さっきから何か変だ。。

痛いとかだるいとかそーゆーことじゃない。

もっと根っこのところが、おかしい。


起きたら真っ暗で、しかも裸。。。


そうだ。

そうだよ!!


普通ならもっとパニックに陥るはずなんじゃないか?。

恐怖と不安で叫んだり、とにかく縮こまって、誰にも見つからないように

祈るとか。


でも今の僕はそのどちらでもない。

パニックになっていない。

100%冷静だ。


なんで?

なんでこんなに冷静でいられる?


僕は真っ暗の中、なぜか見える自分の膝を見つめながら考える。


怖く。。。ない? 

怖くない。

いきなり真っ暗な場所に裸でいるのに、僕はまったく怖くないんだ!


真っ暗だぞ!

裸だぞ!!!

怖いだろ???

しっかりしろよ僕っ!!


…ダメだ。

怖がろうとしてみても、恐怖がわいてこない。


試しに、いちばん嫌な想像をしてみる。

この暗闇の向こうに、はぁはぁと呼吸の荒い誰かがこっちを見ている。

なぜか少し半笑いだ。

次の瞬間、僕の真後ろに現れたと思ったら、首筋にぬるい息を吹きかけてくる。


……うわ、無理。

気持ち悪い。


全身がぞわっとする。

でも恐怖心は湧いてこない。

ただ気持ち悪いという感情があるだけだ。


なんだこれ。

想像力はあるのに、恐怖だけがごっそり抜けている。


身体は少しも震えない。

喉も乾かない。

胸に手を当てても、心臓は妙なくらい静かなままだ。


そうだな。

夢か。


これ夢だな。

よくあるやつだ。

妙に生々しいけど夢に違いない。

ハハハ。。。


バチン。

右手で頬を叩いてみる。

痛い。

痛みは、ちゃんとある。


夢でもないのか。


じゃ、何なんだよ!!!!

訳がわからない。


その時だった。

何か聞こえた気がした。


ほんのかすかに。

耳で聞いたというより、暗闇そのものが震えたみたいな。

いや、もっと内側から聞こえたような不思議な感覚だった。


ん?

今、また、かすかに聞こえたような。。。


息を止めて、じっとする。

真っ暗な空間は相変わらず何も見えない。


「気分はどうだ?」


「ぎょえっっ!!!」


今度こそ、はっきり聞こえた。

思わず変な声が出た。

首をぶんっと振って、あたりを見回す。


けれど、どこを見ても真っ暗なままだ。

誰かの姿は見えない。


「どこだっ?」

「出てこい! いるのはわかってるんだ!」


それにしても不意に声をかけられたのに、やっぱり怖くない!

一瞬ビクッとしたはずなのに、心臓バクバクしてないし。

すでに冷静100%だし。

僕はこんなに肝が据わった人間じゃない。

普通にビビリだし、どちらかといえば悲観的なほうだ。

ドラマみたいなセリフを言ってしまい、照れてる自分すらいる。


謎「ほう。今回のやつは恐怖心を忘れてきたか」


恐怖心を忘れてきた?

忘れてきたってなんだよ??

コンビニの傘じゃあるまいし。

あ!いっけね!家に恐怖心忘れてきちゃった!って、そんな状況は地球上に

存在しないぞ!!


それに「今回のやつ」と言ったな。

ということは、僕以外にもここへ来た誰かがいるのか。


そうだな。今のアイツの口ぶりから、他の感覚を忘れてきた人がいるという事だな。

僕の他にも人がいる。

真っ暗な世界に来て、はじめてプラスな情報に出会えたな。


おおっっ!!!

僕、この状況でけっこう冷静に情報を整理できてないか?

これ、ちょっと頭脳派主人公っぽくないか。


少ない情報から答えにたどり着く!

超かっこいいシーンじゃん♬


そうだ。

しっかり整理してみると、さらに何かにたどり着けるかもしれない。

僕は今、こういうことだな。


一、僕は裸:装備品ゼロからのスタート。

現状:隠し持っている武器は無いという「潔白の証明」済み

      社会的尊厳はマイナス また、防御力ゼロ。


二、空間は真っ暗:視覚情報が遮断された特異空間。

考察:物理的な場所ではなく、魂の「待機所」か「転送ルーム」の

可能性が高い。


三、なのに自分の身体は見える:光源がないのに自分を認識できる。

悲しいお知らせ:下腹部に「男」確認。世界の厳しさも同時に確認。


四、恐怖心がない:感情のリミッター解除。

確認:「はぁはぁ」には嫌悪感がある。嫌な予感もする


五、どこかに声の主がいる:導き手、あるいは元凶の存在。

期待:せめて女性であれば未来が明るい。


……うん。

並べたところで全然わからん。

だが、こういうふうに情報を整理する主人公は、ちょっと賢そうに見える。


でだ。

そーすると……つまり……

異世界?そういう類いの場所なのか?


僕はまだ自分でも全く信じていないが、そうつぶやいた。


暗闇のどこかで、声の主が小さく笑った気がした。


第1話 完




第1話をお読みいただき、ありがとうございます!

本日はスタートダッシュとして、この後も以下の時間に更新を予定しています。

・第2話:12頃 投稿予定

・第3話:18頃 投稿予定

続きが気になる方は、ぜひ下のブックマーク登録や、**評価**で応援いただけると嬉しいです!(下の★マークをポチポチするだけです!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ