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『約束の庭――夢の中で、君に会った』

作者:こうた
最終エピソード掲載日:2026/09/08
『約束の庭――夢の中で、君に会った』

「ママ……やっと会えたね」

不妊治療を続ける三十五歳の美咲は、ある夜、不思議な夢を見る。

そこは、季節の止まった美しい場所――「約束の庭」。

そこで出会った小さな少女は、初対面のはずの美咲を「ママ」と呼んだ。

「どうして私を知っているの?」

少女は答えない。

それどころか、美咲が誰にも話したことのない記憶や、幼い頃に大切にしていたものまで知っていた。

さらに少女は、なぜか美咲の不妊治療のことまで知っている。

「ママ、ずっと私を待ってたんだよ」

夢から覚めれば、治療の痛みと、妊娠できない現実が待っている。

それでも眠れば、少女に会える。

少女と過ごすうち、美咲は少しずつ気づき始める。

この子は、本当にただの夢なのだろうか。

なぜ、私を「ママ」と呼ぶのか。

なぜ、私しか知らない記憶を知っているのか。

そして少女が口にした、意味深な言葉。

「私が生まれなかった理由、ママは知ってるよ」

やがて約束の庭に白い花が咲き始める。

それは、少女との別れが近い合図だった。

少女が消えた後、誰もいない庭に現れる、見知らぬ男の子。

彼は美咲を見つめ、静かに笑う。

「僕とは、まだ会えないよ」

そして最後に告げる。

「今度は夢じゃなくて、ちゃんと会おう」

夢の少女は何者だったのか。

そして、男の子は一体誰なのか。

すべての答えが明らかになるとき、美咲の人生は大きく動き始める。

これは、命を望み続けた一人の女性が、夢の中で出会った「家族」とともに、未来へ歩き出す物語。
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