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余命一年の転生少女は、終電のあとで剣を抜く

作者:Fille
最新エピソード掲載日:2026/11/06
十七歳で病に倒れた少女は、病室の窓から地下鉄の入口を眺め、「終点まで乗ってみたい」と願いながら死んだ。最期に聞いたのは、「次は、灯を持って生まれなさい」という謎の声だった。
 前世の記憶を持ったまま帝都・東京に生まれ変わった白峰澪は、誰もが振り返る美少女に育つ。だが十六歳の誕生日、原因不明の衰弱で「余命一年」と告げられる。その夜、初めて乗った銀座線の終電で、澪はトンネルに棲む魔物を目にし、自らの命を光の刃に変える力「灯」に目覚める。
 魔物「地喰」は、帝都の地下を走る十三の路線を巨大な魔法陣に見立て、終電後にひとつずつ「封」を割り、帝都を地の底へ沈めようとしていた。澪は、魔物が見える数少ない大人である深夜保守作業員・久我透と組んで、廃駅や地下迷宮を駆け、封を守る戦いに身を投じていく。
 だが「灯」は使うたびに澪の寿命を削る。戦わなければ一年は生きられる。友だちとの日常も、母との時間も守れる。それでも澪は、前世で何もできなかった自分に代わって、誰かの明日を守る道を選ぶ。
 戦いの中で、地喰に力を貸す人間の協力者が身近にいることが明らかになる。さらに、澪の病は病気ではなく「灯の守り手」の宿命であり、前世の死もまた地喰とつながっていたことが見えてくる。封の半分が割れ、帝都の地下が揺れはじめたとき、ついに地喰の本体が姿を現す。
 残りわずかな命を抱えた少女は、終電のあとの暗闇で、帝都を守りきることができるのか――。「どれだけ長く生きるか」ではなく「誰の明日を守るか」を問う、地下鉄ファンタジー。
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