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奇祭による町興し企画 ――山の女様を観光サイトに載せてはいけない

作者:十字路
最終エピソード掲載日:2026/08/18
人口二百人未満の離島・三影島。

企画制作会社で働く秋原澪は、過疎化対策として、島に伝わる奇祭「山神婚礼祭」を観光資源にする仕事を任される。

毎年一人の男性を、山に棲む女神の婿として送り出す祭り。

資料上は安全な地域行事だった。しかし島には、「名を呼ぶな」「婿を止めるな」「白いものを拾うな」「戻るまで数えるな」という、由来不明の記録が残されていた。

澪は、存在しない怪談を作ったわけではない。
ただ、霧の島、夜の参道、白装束の婿、山の女様という言葉を並べ、人々が怖いと感じるように「見せ方」を変えただけだった。

公開された観光サイトは、心霊系配信者とSNSを通して急速に広がっていく。
やがて人々は、島だけでなく、無関係な写真や動画の中にまで「白いもの」を探し始める。

白い像は、光の反射だったのか。
怪異が人々へ姿を見せたのか。
それとも、見たがる人間たちが、怪異の姿を作ったのか。

行政資料、新聞記事、メール、SNS投稿、配信コメント、匿名掲示板などを交えて描く、現代民俗モキュメンタリー・ホラー。

※カクヨムにも掲載しています。
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