閉じ込められた部屋
一人の女性が目覚めると、見知らぬ部屋に閉じ込められていた。窓もドアも開かず、外との連絡も取れない。部屋には何もない、ただ壁に一つだけ奇妙な絵が飾られている。
第1章
佐藤真尋が眠りから目を覚ますと、自分の顔を蛍光灯の光が照らしていることにまず気づいた。
2025/01/14 18:00
(改)
真尋は、机に置かれた一枚の紙を手にとった。
2025/01/15 18:00
真尋はドアに耳をつける。
2025/01/16 18:00
真尋は再び、絵の中の奇妙な建物に視線を戻した。
2025/01/17 18:00
第2章
真尋の母親は『佐藤美和』という名前だった。
2025/01/18 18:00
(改)
真尋は久しぶりに、自分の幼い頃の記憶を思い出していた。
2025/01/19 18:00
真尋の実家は埼玉県S市にあった。
2025/01/20 18:00
東京都K区の区役所は第一庁舎から第五庁舎まで、五つの庁舎に別れていた。
2025/01/21 18:00
小さく折りたたんだ状態の戸籍謄本を膝の上で丁寧に広げる。
2025/01/22 18:00
真尋の記憶の片隅に、ぼんやりとした一つのイメージが漂っていた。
2025/01/23 18:00
第3章
真尋は、高校二年生のときに自分の戸籍謄本を目にしたあの日のことをまざまざと思い出していた。
2025/01/24 18:00
(改)
そうだ。
2025/01/25 18:00
真尋はゆっくりと絵に近づく。
2025/01/26 18:00
ふと、真尋の視界に、自分の腕が映っていることに気づいた。
2025/01/27 18:00
それは、先ほどの部屋と同じように六畳くらいの小さな部屋だった。
2025/01/28 18:00
第4章
真尋の父親は『佐藤健太郎』という名前だった。
2025/01/29 18:00
(改)
その『しつけ』が終わると、父は必ず、「このことは絶対に誰にも言うなよ」と濁った目を真尋にぎょろりと向けながら言った。
2025/01/30 18:00
父の動きが止まった。
2025/01/31 18:00
真尋は黙って寝室の入り口に立った。
2025/02/01 18:00
母は真尋の両肩から手を離すと、すっと立ち上がった。
2025/02/02 18:00
第5章
閉じ込められた部屋の中。
2025/02/03 18:00
(改)
真尋が『父が存在しなかった世界』に逃げ込んでいた中で、一方では母は、『夫が失踪した世界』を一人で息を潜めるようにして生きていた。
2025/02/04 18:00
その時だった。
2025/02/05 18:00
ぽた……。
2025/02/06 18:00
何とかして、この水を止める方法は無いのか。
2025/02/07 18:00
真尋は木片を持った右手を開き、その木片を手放した。
2025/02/08 18:00
第6章
佐藤美和は、建物の正面玄関から中に入ると、待合室を真っ直ぐに抜けて警備室に向かった。
2025/02/09 18:00
(改)
N大学附属病院から、美和に突然の連絡があったのは四月七日の夜九時過ぎだった。
2025/02/10 18:00
美和は、以前、真尋の口から真由美という名の大学の友人がいるという話を聞いたことがあったことを思い出した。
2025/02/11 18:00
その日は十六時までびっしりと講義が入っていました。
2025/02/12 18:00
彼女の部屋はワンルームでした。
2025/02/13 18:00
第7章
白い看護服を着た一人の若い女性が待合室に小走りで歩いてきた。
2025/02/14 18:00
(改)
その日は夜も遅いということもあって、病院に近くのホテルを紹介してもらって美和はそこに宿泊することにした。
2025/02/15 18:00
結局、その日に真尋が目を覚ますことはなかった。
2025/02/16 18:00
美和は、サイドボードの上に置かれたハーバリウムを見つめていた。
2025/02/17 18:00
第8章
ピンポーン。
2025/02/18 18:00
(改)
真尋が一人暮らしを始めた際、「何かあった時のために渡しておくね」と真尋に言われて、美和は合鍵を一つ受け取っていた。
2025/02/19 18:00
タイトル未定2025/02/18 10:34
2025/02/20 18:00
第9章
その日、美和は自分でもどのようにして家に帰ったのか分からなかった。
2025/02/21 18:00
(改)
二日ぶりに入った真尋の病室は、それまでと全く変わらない同じ時間が流れていた。
2025/02/22 18:00
「真尋……」
2025/02/23 18:00
第10章
真尋は閉じ込められた部屋の中にいた。
2025/02/24 18:00
(改)
そうだ。あの日に感じた暖かさに似ている。
2025/02/25 18:00
真尋は、あの夜の自分自身を思い出していた。
2025/02/26 18:00
真尋は目を開けた。
2025/02/27 18:00
エピローグ
美和は、人通りの絶えた静かな住宅街を、真尋と二人並んで歩いていた。
2025/02/28 18:00
(改)