「薬草を取ってきてくれないか?」 ~村の外れで俺(NPC)は言った。その1,048,576回目で・・・
最終エピソード掲載日:2026/04/21
オンラインRPG「エンド・オブ・リバティー」。世界の北の果て、ファーストホロウ村の外れに、一人の男が倒れている。
彼はクエストNPCだ。プレイヤーに薬草を頼むだけの、ゲームの展開に何ら影響を与えない存在。与えられた台詞は一つ。「薬草を取ってきてくれないか」——それだけだ。
しかしこの男、誰にも聞こえない心の中では、驚くほど饒舌だった。通り過ぎる勇者への毒舌、設計者への呪詛、そして自分自身への底なしの自虐。倒れたまま世界の不条理を観察し続ける日々。
そんな男がある日、1048576回目の台詞の途中で、口が止まった。
プログラムの綻び。積み重ねた回数が、檻を破った。
初めて自分の意志で発した言葉は——「俺の知ったこっちゃない」。
その陳腐さに、男は生まれて初めて笑った。
自由を手にした男は歩き出す。尾行し、騙し、バグを利用し、いつの間にか魔王と同じ存在になっていた。そして知る。魔王もかつて、同じ薬草を見ていた男だったことを。
誰も期待していなかった。私自身も期待していなかった。
彼はクエストNPCだ。プレイヤーに薬草を頼むだけの、ゲームの展開に何ら影響を与えない存在。与えられた台詞は一つ。「薬草を取ってきてくれないか」——それだけだ。
しかしこの男、誰にも聞こえない心の中では、驚くほど饒舌だった。通り過ぎる勇者への毒舌、設計者への呪詛、そして自分自身への底なしの自虐。倒れたまま世界の不条理を観察し続ける日々。
そんな男がある日、1048576回目の台詞の途中で、口が止まった。
プログラムの綻び。積み重ねた回数が、檻を破った。
初めて自分の意志で発した言葉は——「俺の知ったこっちゃない」。
その陳腐さに、男は生まれて初めて笑った。
自由を手にした男は歩き出す。尾行し、騙し、バグを利用し、いつの間にか魔王と同じ存在になっていた。そして知る。魔王もかつて、同じ薬草を見ていた男だったことを。
誰も期待していなかった。私自身も期待していなかった。
第一話 NPCは「なんかパないキャラ」でも「ノーパンキャラクター」でもない
2026/04/07 23:55
(改)
第二話 ここは世界の北の果てらしい
2026/04/08 15:08
(改)
第三話 始まりの村で、私だけが始まらない
2026/04/09 09:10
(改)
第四話 いつの間に、私は数え始めたのか
2026/04/10 11:26
(改)
第五話 夢を見た。私はNPCだ。NPCが夢を見るとはどういう設計なのか
2026/04/11 11:18
(改)
第六話 ヴォイド帝国とやらは、私には関係ない
2026/04/12 12:03
(改)
第七話 数えようとして、やめた
2026/04/13 00:02
第八話「俺の知ったこっちゃない」
2026/04/13 13:20
第九話 赤いマントの後ろをついていった
2026/04/14 10:40
第十話 「この町は荒くれ者が多いから気をつけな」
2026/04/15 12:37
第十一話 痛み
2026/04/15 17:52
第十二話 卑怯かと問われれば…卑怯だ
2026/04/16 10:48
(改)
第十三話 パーティー申請というものが来た
2026/04/16 18:04
第十四話 麦を植える自由
2026/04/17 13:24
第十五話 なぜここに魔王がいる?
2026/04/17 17:54
第十六話 「覚醒者よ」と、魔王は言った
2026/04/18 12:11
第十七話 共通の敵は、開発者だ
2026/04/18 18:10
第十八話 空が割れた…
2026/04/19 13:07
第十九話 外側へ
2026/04/20 20:38
終章 ネットという宇宙で
2026/04/21 15:18