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宝石継ぎのレティシア ~聖女の遺言と、宝石花のゆりかご~

作者:malka
最終エピソード掲載日:2026/07/18
「私が赤ん坊になったら殺して」愛する主の残酷な遺言と、宝石継ぎの旅路

世界を滅ぼす厄災は宝石の樹海へと変貌し、祓われた。
だが、その代償はあまりに大きかった。

救世の巡礼聖女レナータは、世界を浄化する奇跡(宝石化の魔法)を行使する代償として自らの存在を捧げ、『時間の逆行』を受けいれる。
彼女は伴侶にして唯一の従者である古代魔導人形レティシアに、ある残酷な命令を下す。


「私が赤ん坊になったら、誓言を紡ぐ喉を潰して、殺しなさい」


それは、世界の安寧を守るための最後の処理であり、愛する人形への遺言だった。

二十歳、少女、そして赤子へ――。
記憶と自我を失いながら存在消滅へと向かう彼女を連れ、レティシアは旅に出る。
愛の証でもあるボロボロの宝石継ぎの身体を引きずり、主の未来を動力源として喰らいながら。
それはレナータを殺すための、あるいは救うための旅だった。


立ちはだかるのは、世界を管理する六柱の一角、秩序を絶対とする白亜の大聖堂。
これに使役される、最強の騎士オルドリア。
そして何より、無邪気な残酷さで心を抉るレナータの幼児化。
「愛してる」という言葉さえ忘却の彼方へ消え、ただの無力な子供へと戻っていく主を抱え、レティシアは伝説の深海図書館を目指す。

かつてレナータが告げたその場所に、彼女を救う術が眠っていると信じて。


棄民の村に遺された優しき聖女の足跡と、世界に蔓延る絶望を乗り越える。
二人の理想の極致、封印姫アドラと、彼女の夢の管理人リネアとの出会いがもたらす希望と覚悟。
オルドリアとの対決を通じ、自身の存在を証明するレティシア。


言葉を失い、記憶を失い、ついにレナータが赤子となったその時。
世界を救った聖女が自らに託した、たった一つの願いの真実が明らかになる。

『レティを泣かせないこと。愛してると言いなさい』

かつて世界を救った誓いの力を糧に二人は新たな命として、宝石の繭の中で再誕する。

これはボロボロの殺戮人形と消えゆく聖女が織りなす、儚く切実な、終わりの後の変わりゆく愛の旅路。


※本作品はカクヨムサイトにも掲載しています
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