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世界樹へ続く歌

作者:猫病
最新エピソード掲載日:2026/09/02
女子高生バンドのギターボーカル・朝倉ミオと、アイドルとして活動する星宮ルナ。

それぞれ別のステージに立っていた十七歳の二人は、ライブの最中に生じた光に呑まれ、魔法とモンスターが存在する異世界へ迷い込んでしまう。

魔法は使えない。剣も振るえない。
ミオの赤いエレキギターは電気がなければ満足に音も鳴らず、ルナの歌も魔物を倒す力にはならない。

そんな二人を救ったのは、旅の冒険者たちだった。

故郷へ帰る方法を求め、世界の最果てにあるという世界樹ユグドラシルを目指す二人。窮屈な洞窟を抜けた先に広がる星花の海、雲より高い山々、空を映す湖、雨音が音楽になる王国――旅の先々で、二人は息をのむほど美しい景色と、かけがえのない仲間たちに出会っていく。

やがて彼女たちは知る。

二人の奏でる音楽には、奇跡を起こす力はない。
けれど、その歌を聴いた者が本来持っている勇気や力を、ほんの少しだけ引き出すことができる。

それは誰かを支配する魔法ではなく、立ち上がろうとする心に寄り添う「共鳴」だった。

出会い、別れ、ときには二度と会えない喪失を重ねながら、少女たちは世界樹へ続く道を歩いていく。

一方、二人と同じ日に異世界へ迷い込んだ、もう一人の日本人・シンもまた、彼女たちの知らない場所で旅を始めていた。

帰る場所を求めて始まった旅は、やがて三人に問いかける。

故郷とは、生まれた場所なのか。
それとも、自分の存在を必要としてくれる場所なのか。

美しい異世界を巡る音楽と友情の冒険譚。
これは、誰かのために歌うことを覚えた少女たちが、自分自身の人生を選ぶまでの物語。
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