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命の灯火

作者:
最新エピソード掲載日:2026/06/12
人間は、案外簡単に消える。


事故や病気の話じゃない。


昨日まで隣にいた人間が、まるで最初から存在しなかったみたいに消えてしまうことがある。


少なくとも尾鹿葛葉は、そういう話を何度も聞いてきた。


都内の片隅にあるBAR『命の灯火』。


夜になると、行き場を失った人間たちが集まる。


酒を飲み、愚痴を吐き、誰にも信じてもらえない話を置いていく。


最初はただの噂だった。


酔っ払いの作り話。


誰かの勘違い。


そう思っていた。


だが気付けば、その話の続きを知る人間は誰もいなくなっていた。


これは、一人の男と怪異の記録。


そして、人が人でなくなっていく物語である。
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