第十話『アフター④』
BAR 命の灯火。
閉店後。
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店内には尾鹿と凛だけが残っていた。
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カウンターの上にはノートパソコン。
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スマホ。
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メモ帳。
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数時間に渡る調査の結果。
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分かった事は多くない。
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だが。
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一つだけ確かな事があった。
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「全員、生きてる」
凛が呟く。
「幽世比売に遭遇した人」
「少なくとも記録が残ってる人達は」
「全員生きてるんです」
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尾鹿は画面を見つめる。
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確かにそうだった。
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失踪した者もいる。
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精神を病んだ者もいる。
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人生を壊された者もいる。
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だが。
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幽世比売そのものに殺された記録は見つからなかった。
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「妙だな」
「はい」
凛は頷く。
「普通の怪異じゃない」
尾鹿は煙草に火を付けた。
「会いたいだけなのかもな」
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凛は黙った。
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その言葉が妙に腑に落ちた。
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画面の向こうから。
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何度も届いたメッセージ。
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見つけてくれてありがとう。
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消さないで。
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会わせてあげましょうか。
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そこに悪意は感じなかった。
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ただ。
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重すぎるだけで。
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「尾鹿さん」
「ん?」
「まさか」
凛の顔が引きつる。
「会うつもりじゃないですよね」
尾鹿は煙を吐いた。
「会う」
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「は?」
「話が通じるなら話す」
「いやいやいや!」
凛は立ち上がった。
「頭おかしいですよ!」
「そうかもな」
尾鹿は苦笑した。
「でも」
「お前巻き込まれてるだろ」
凛は言葉を失う。
しばらく沈黙が落ちた。
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やがて。
「絶対無茶しないでくださいよ」
「善処する」
「信用できません」
「俺も」
尾鹿は立ち上がった。
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深夜三時。
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凛を帰らせる。
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店の鍵を閉める。
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静かになった店内。
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いつも通りの命の灯火。
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なのに。
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今日は少し違った。
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尾鹿はカウンターへ腰掛ける。
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スマホを置く。
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店の照明を一段落とす。
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そして。
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小さく呟いた。
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「いるんだろ」
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沈黙。
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返事はない。
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数秒。
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何も起きない。
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やっぱり馬鹿らしい。
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そう思った時だった。
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頭痛。
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激痛。
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尾鹿は思わず頭を押さえる。
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耳鳴り。
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視界が揺れる。
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店内のテレビが勝手に点く。
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監視カメラのモニター。
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レジ画面。
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スマホ。
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全ての画面が同時に光った。
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映っている。
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同じ女。
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長い髪。
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白い服。
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美しい女。
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そして。
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カウンター席。
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いつの間にか。
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そこに座っていた。
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女は尾鹿を見る。
嬉しそうに。
本当に嬉しそうに。
微笑んだ。
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貴方様
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頭痛が増す。
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だが。
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尾鹿は目を逸らさなかった。
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「お前が幽世比売か」
女は小さく首を傾げた。
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その名で呼ばれています
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「凛に何をした」
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女は不思議そうな顔をした。
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何も
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「嘘つけ」
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私は何もしていません
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「じゃああれは何だ」
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あの方は邪魔です
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尾鹿はため息を吐いた。
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「やっぱりお前か」
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女は黙る。
貴方様の為です
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「余計なお世話だ」
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貴方様は優しい
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だから騙される
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傷付く
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あの方は必要ありません
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尾鹿は頭を掻いた。
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「聞け」
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女が黙る。
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「俺が嫌なんだよ」
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初めて。
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幽世比売の表情が止まった。
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「凛に手を出すな」
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「関係ない奴を巻き込むな」
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「それが出来ないなら」
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尾鹿は少し笑った。
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「もう話しかけるな」
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沈黙。
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長い沈黙。
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やがて。
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女は俯いた。
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どこか。
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悲しそうに。
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そうですか
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尾鹿は何も言わない。
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ごめんなさい
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その言葉と同時に。
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頭痛が消えた。
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耳鳴りも。
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画面の光も。
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全てが消える。
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気付けば。
店内には尾鹿一人だけが残されていた。
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翌日。
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凛から連絡が来た。
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鏡には何も映らない。
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通知も来ない。
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知らない女もいない。
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どうやら終わったらしい。
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尾鹿はスマホを置いた。
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そして。
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その夜。
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閉店後。
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一人でグラスを洗っていた時。
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ふと。
後ろから声がした。
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貴方様
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尾鹿は目を閉じた。
「まだいるのか」
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はい
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尾鹿はため息を吐く。
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「凛にはもう近付くなよ」
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少しの沈黙。
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はい
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「店の客にも手を出すな」
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善処します
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「おい」
初めて少し笑う。
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努力します
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「そうかよ」
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グラスを洗う。
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静かな店内。
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やがて。
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尾鹿は面倒臭そうに呟いた。
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「話し相手くらいにはなってやる」
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沈黙。
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本当ですか
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どこか嬉しそうな声。
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「その代わり」
「仕事の邪魔はするな」
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はい
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尾鹿は頷く。
「ならいい」
その時。
どこかで。
女が笑った気がした。
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BAR 命の灯火。
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今夜もまた。
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厄介な客が増えたらしい。




