看板職人ヤスミンは赤い糸を書き換える
最終エピソード掲載日:2026/06/25
旧市街で看板や迷子札、恋文の代筆まで請け負う「ことば屋つばめ」の看板職人ヤスミンは、人の暮らしに合う言葉を書く腕で町の人々に頼られていた。ある朝、都市整備局広報課のハッサンが持ち込んだ掲示文を読んだ彼女は、整いすぎた文の奥に、あとから無理に差し込まれたような違和感を見つける。橋の案内板、縁談登録札、営業許可の掲示――本来は人を守るはずの言葉が、少しずつ住民の権利を削る向きへ書き換えられていたのだ。
感情で動くヤスミンと、証拠と手順を重んじるハッサンは何度もぶつかりながらも、工房の仲間や配達人、茶屋、印刷所、文書庫の協力者たちと手を組み、改ざんの痕跡を追っていく。やがて調査は、六年前の豪雨の夜に起きた避難誘導の混乱と結びつき、ヤスミンが胸の底へ押し込めていた母の死の記憶まで掘り起こす。さらに、旧市街を切り捨てようとする思惑と、言葉そのものを都合よくねじ曲げてきた流れが明らかになっていく。
削られた言葉を取り戻すため、二人は夏至祭の舞台を告発の場へ変える。恋や感謝を語るはずの祭りの席で、図面、控え、押印記録、住民の短い願いの言葉を積み重ね、町の暮らしを守るための真実を語り直す。言葉で人を立ち止まらせる女と、正確さで町を守ろうとする男。すれ違い続けた二人が、互いの仕事を認め合い、失われかけた暮らしと恋を自分たちの手で書き直していく
感情で動くヤスミンと、証拠と手順を重んじるハッサンは何度もぶつかりながらも、工房の仲間や配達人、茶屋、印刷所、文書庫の協力者たちと手を組み、改ざんの痕跡を追っていく。やがて調査は、六年前の豪雨の夜に起きた避難誘導の混乱と結びつき、ヤスミンが胸の底へ押し込めていた母の死の記憶まで掘り起こす。さらに、旧市街を切り捨てようとする思惑と、言葉そのものを都合よくねじ曲げてきた流れが明らかになっていく。
削られた言葉を取り戻すため、二人は夏至祭の舞台を告発の場へ変える。恋や感謝を語るはずの祭りの席で、図面、控え、押印記録、住民の短い願いの言葉を積み重ね、町の暮らしを守るための真実を語り直す。言葉で人を立ち止まらせる女と、正確さで町を守ろうとする男。すれ違い続けた二人が、互いの仕事を認め合い、失われかけた暮らしと恋を自分たちの手で書き直していく
第1話 ことば屋つばめの朝
2026/03/25 09:30
第2話 冷たい文とあたたかい文
2026/03/25 09:40
第3話 橋の先にいない客
2026/03/25 09:50
第4話 図面と路地と食堂の鍋
2026/03/26 08:10
第5話 モノ書く人々、路地へ出る
2026/03/27 08:10
第6話 褒めてばかりのパゾス
2026/03/28 08:10
第7話 赤い認証墨
2026/03/29 08:10
第8話 恋文よりまず証拠
2026/03/30 08:10
第9話 閉店の二文字
2026/03/31 08:10
第10話 消えた営業許可
2026/04/05 18:10
第11話 本気になんてならない
2026/04/12 18:10
第12話 豪雨の夜の記憶
2026/04/19 18:10
第13話 六年前の木枠
2026/05/03 18:10
(改)
第14話 同じ名の商会
2026/06/03 19:50
第15話 いつまでたっても重ならない…と思う
2026/06/04 19:50
第16話 工房への疑い
2026/06/05 19:50
第17話 書き残された幸福論
2026/06/06 19:50
第18話 返すべき言葉
2026/06/07 19:50
第19話 告白タイムの罠
2026/06/08 19:50
第20話 一晩だけの段取り戦
2026/06/09 19:50
第21話 刷り物の夜
2026/06/10 19:50
第22話 看板が町を埋める朝
2026/06/11 19:50
第23話 数字しか見ていなかった男
2026/06/20 19:50
第24話 告白タイムの幕が上がる
2026/06/21 19:50
第25話 図面と札と押印記録
2026/06/22 19:50
第26話 町じゅうの前で
2026/06/23 19:50
第27話 赤い糸を書き直す
2026/06/24 19:50
第28話 新しい看板の文
2026/06/25 19:50