死に戻り花嫁は笑顔で返す 〜結婚式の三ヶ月前に戻ったので、今度は騙されずに全部お返しします〜
最新エピソード掲載日:2026/09/07
「ねえ、それっていくら下りるんですか?」「三千万。籍を入れる前に増額しといて正解だった」——衰弱しきった病室のベッドで、早瀬千夏(32歳・経理事務)は、夫・貴文とその愛人が自分の保険金と葬儀の見積もりを話すのを聞きながら死んだ。怒る体力も残っていなかった。給料も、祖母がくれたお金も、夜中までつけた家計簿も、全部あの家に注いで削られた三年だった。目が覚めると、そこは結婚式の三ヶ月前。血色の戻った手、まだ「沢渡」ではない名前、通帳に一件だけの振込。原理不明・一度きりの死に戻りだと悟った千夏が最初に考えたのは、逃げることだった。けれどやめた。婚約を破棄して消えたところで、あの一家が祖母の土地を忘れてくれる保証はどこにもない。そして今の千夏は、録音も領収書も何ひとつ持っていない。経理を十年やってきた身として、回収の基本は知っている——相手に警戒される前に、証憑を揃えること。かくして「知らないふり」の二度目の婚約期間が始まる。義母が仕掛ける権利証の預かり話を公開の場で笑顔のまま粉砕し、一周目で奪われた親友との縁を今度は手放さず、結婚準備に紛れ込む名義のトラップを署名の場で見抜く。一方で、唯一仕事を正当に評価してくれた取引先の二代目社長・国見との再会が、「復讐のため」ではない人生の選び直しを千夏に問いかける。悪人には決して懐かない茶トラ猫のこはく、最初から何かを見抜いていた祖母、歯に衣着せぬ親友の葵——味方を得た花嫁は、毎話ひとつずつ罠を潰しながら、式当日の決着の日へ向かう。復讐は感情ではなく実務。制裁は罵倒ではなく事実の提示で。「二度と自分を安売りしない」と決めた花嫁の、静かで痛快な二周目の物語。
第1話 私の葬儀の見積もりを、夫と彼女がしていた
2026/08/20 03:06
第2話 知らないふりの始め方
2026/08/21 12:00
第3話 権利証は渡さない
2026/08/22 12:00
第4話 親友を、今度は手放さない
2026/08/24 12:00
第5話 その名義、私じゃありません
2026/08/25 12:00
第6話 人生を、転職します
2026/08/26 12:00
第7話 二周目の職場は空気が美味しい
2026/08/27 12:00
第8話 指輪はふたつ買われていた
2026/08/28 12:00
第9話 お義母様の履歴書
2026/08/29 12:00
第10話 決行前夜
2026/08/30 12:00
第11話 誓いの代わりに、証拠を
2026/08/31 12:00
第12話 花嫁のいない披露宴のあとで
2026/09/01 12:35
第13話 投書より、実績
2026/09/02 12:00
第14話 あなたはもう、怖くない
2026/09/03 12:00
第15話 土地は、家族のもとへ
2026/09/04 13:47
第16話 幸せになる資格
2026/09/05 12:32
第17話 一周目の命日に
2026/09/06 12:00
第18話 二周目の花嫁は、私の意思で
2026/09/07 12:00