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白いノートと、君の線

作者:佐藤 めあ
最新エピソード掲載日:2026/06/05
四月。
中学三年生になった佐倉友樹は、新しい教室で滝夏美と隣の席になる。

まだスマホも携帯電話も普及していない時代。
誰かと連絡を取るには、家の電話を使うしかなかった。

美術部に所属する友樹は、白い紙に最初の線を引くことが少し苦手な少年だった。
体調にも不安を抱えていて、無理をしないようにと言われながらも、自分の弱さをどう受け止めればいいのか分からずにいる。

そんな友樹の隣で、夏美はノートの端に不思議なウサギのようなキャラクターを描いていた。

名前は、ぴょん吉。

かわいくて、少し変で、どこか人の気持ちを代弁するようなその落書きは、友樹と夏美の間に、少しずつ特別な言葉を作っていく。

夏美の親友である如月沙耶も加わり、三人の距離はゆっくりと近づいていく。
まっすぐで少し厳しい沙耶。
不思議な感性で友樹の心を拾う夏美。
そして、うまく言葉にできない友樹。

進路、受験、体調、面接練習。
中学三年生の一年は、思っていたよりも早く進んでいく。

怖いまま進むこと。
休むことを負けにしないこと。
用事がなくても、誰かの声を聞きたくなること。

ノートの端に描かれた小さな線は、やがて友樹たちの春へとつながっていく。

これは、白いノートの端から始まる、少し不器用な青春と恋の物語。
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