アオハルは、雨上がりの空に映えるなないろ
最新エピソード掲載日:2026/07/23
雨上がりの空の下に、その子は立っていた。
かわいらしい格好で、大きなギターを弾くその姿は、すごく綺麗だった。
人に気を遣い、ネガティブな気持ちに飲まれる私の視界は、灰色のフィルターに覆われている。
だけどその子は私に顔を近づけ、顎に手を添えて言ったのだ。
「綺麗な顔」
と――
甘い吐息が口元に掛かり、心臓が跳ねる。
だけど、同時に違和感を覚えた。
「え?」
彼女の口から出た声、それは女性とは思えないくらいに低い。
声変わりを果たした、低音の重厚感が極まったイケボ。
それが、目の前の美少女の喉から奏でられている。
「残念、男の子でした。がっかりした?」
悪戯っぽく笑い、小首を傾げる。
「ひゃ、ひゃぁあああああ!!」
情けない叫び声をあげ、そこから逃げ出す。
巧みにギターを操り、配信でも人気を得ているその子の名は……
空音結弦(そらおとゆづる)
そう、最強の『女装男子』だった。
私と違ってきらきらに輝いている彼は、なぜか私を褒めてくる。
同級生の朱里さんの影に隠れた私なんて、何も良い所はないのに。
更には歌っている所を聞かれ
「ぼくは優子ちゃんとライブしてみたいんだ」
と文化祭のステージに誘われてしまう。
陰キャな私が、そんな舞台に立てるわけがない。
だけど
「ぼく、優子ちゃんのいいところ百個以上言えるよ」
と力強く抱きしめてくる彼の男気に、私の心は少しずつ揺れ動いて――
好きなことに一生懸命な彼によって、私の灰色の世界は徐々に彩られていく。
雲間から覗く虹色。
結弦くんの笑顔は今日も明るく、私には眩しかった。
かわいらしい格好で、大きなギターを弾くその姿は、すごく綺麗だった。
人に気を遣い、ネガティブな気持ちに飲まれる私の視界は、灰色のフィルターに覆われている。
だけどその子は私に顔を近づけ、顎に手を添えて言ったのだ。
「綺麗な顔」
と――
甘い吐息が口元に掛かり、心臓が跳ねる。
だけど、同時に違和感を覚えた。
「え?」
彼女の口から出た声、それは女性とは思えないくらいに低い。
声変わりを果たした、低音の重厚感が極まったイケボ。
それが、目の前の美少女の喉から奏でられている。
「残念、男の子でした。がっかりした?」
悪戯っぽく笑い、小首を傾げる。
「ひゃ、ひゃぁあああああ!!」
情けない叫び声をあげ、そこから逃げ出す。
巧みにギターを操り、配信でも人気を得ているその子の名は……
空音結弦(そらおとゆづる)
そう、最強の『女装男子』だった。
私と違ってきらきらに輝いている彼は、なぜか私を褒めてくる。
同級生の朱里さんの影に隠れた私なんて、何も良い所はないのに。
更には歌っている所を聞かれ
「ぼくは優子ちゃんとライブしてみたいんだ」
と文化祭のステージに誘われてしまう。
陰キャな私が、そんな舞台に立てるわけがない。
だけど
「ぼく、優子ちゃんのいいところ百個以上言えるよ」
と力強く抱きしめてくる彼の男気に、私の心は少しずつ揺れ動いて――
好きなことに一生懸命な彼によって、私の灰色の世界は徐々に彩られていく。
雲間から覗く虹色。
結弦くんの笑顔は今日も明るく、私には眩しかった。
第一章:雨上がりの空の下に立つ美少女
2026/07/12 14:00
第二章:灰色のフィルター
2026/07/12 14:00
第三章:美少女の正体
2026/07/12 14:00
第四章:押し寄せる想いは、湯に溶けない
2026/07/12 15:00
第五章:世界は歌によって色付く
2026/07/12 16:00
第六章:その想いは突然やってくる
2026/07/12 17:00
第七章:神のみぞ知る
2026/07/13 18:00
第八章:その存在が眩しすぎて
2026/07/14 20:00
第九章:同じ光景を知っている二人
2026/07/15 19:00
第十章:少しの罪悪感と、踊る心
2026/07/16 21:00
第十一章:その先に広がる、なないろ
2026/07/17 14:00
第十二章:隣に立ちたいという気持ち
2026/07/18 20:00
第十三章:色付く未来
2026/07/19 19:00
第十四章:アオハルは、薄い雲の先に
2026/07/20 19:00
第十五章:跳ねるような心、晴れ渡る空
2026/07/21 18:51
第十六章:ベルガモットとシトラス
2026/07/22 18:40
第十七章:憧れの先へ
2026/07/23 17:51