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想い

作者:宇山 了
最終エピソード掲載日:2026/10/30
拓二は大学理工学部の四年生。大学院修士課程の試験に合格している。金融業を営む父から毎月小遣いをもらっているが、リーマンショックのあおりを受けて父の会社の業績が悪化し、数ヶ月間、小遣いをもらえていない。それどころか、父は母へ生活費も渡せない状況に陥った。一方、父は愛人を囲っていて、愛人へマンションを買い与えて一緒に住み、しかも愛人に子まで産ませている。拓二は生活費も渡せなくなった父を見限り、母、兄、弟と相談した結果、両親の離婚を推し進めることにした。両親が離婚した場合、拓二は大学院進学を断念する覚悟をしていたが、母と兄、それに父からも進学をすすめられ、結局進学することに決めた。やがて拓二たち家族は小さいアパートへ引っ越し、兄は一人暮らしすることになり、両親の離婚も無事成立した。だが母は、離婚届を持ってきた父の寂しそうな姿を見たせいか、将来、父の老後を見ると言って涙を見せたことが拓二の気持ちを混乱させ、男女のことは分からないと感慨を抱くことになった。拓二は父の会社に勤めていた五歳年上の綾子にほのかに好意を寄せていたが、特に自分からアプローチすることもないまま、綾子は、翌年結婚することになったと言って会社を退職した。拓二は、綾子との縁はこれで切れたと思っていたのだが、拓二の大学の卒業式の翌日、綾子から拓二に電話がかかってきた……。
 この小説は、大学四年生の拓二が、家族のことや進路、恋愛など、さまざまな出来事に悩みながら、前向きに生きようとする様子を綴った中編である。
 ※本作品は、小説投稿サイト「カクヨム」へも投稿しています。
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