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婚約解消された王宮式典官ですが、花嫁の欄に私の名が書いてあります――隣国との条約調印式、謹んでお受けします

作者:望月すずね
最新エピソード掲載日:2026/08/24
婚約を解消された三日後、王宮式典官セラフィーナは記録倉庫へ回されました。

そこへ届いたのは、誰も引き受けたがらない仕事――隣国グラナートとの条約調印式、その儀典設計です。過去三人の担当者が、辞めた理由すら台帳から削られている式。開いてみれば、席次に侮辱が仕込まれ、旗の順に罠があり、献立には禁忌が紛れていました。

「席次は、嘘をつきません。座らされた場所が、その者の値打ちです」

誰も読まない式次第の一行を、彼女だけが読めます。駒を一つ動かし、柱を半歩下げ、六十年分の写本を掘り返して、六つの妨害を順に潰していく――そのうちに、条約の付帯条項で手が止まりました。花嫁の欄に、わたくしの名が書いてあります。

書いたのは誰か。取り消さなかったのは誰か。答えに辿り着いたとき、彼女は羽根ペンを取り、その一行を自分の手で書き換えます。

第1部・全30話(第2部へ続きます)。ハッピーエンド。

静かなスカッとと、ひとさじのときめきが好きな方へ。(叫ばない主人公です。ざまぁは本人が手を汚さない形で来ます)
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