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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
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記憶を読む宝石鑑定士と、涙を失った姉 ―クラリティの嘘―

作者:宿院
最新エピソード掲載日:2026/08/10
 璃ヶ浦国際競売場で、見習い鑑定士・東雲凛香は、七億円で落札された婚約指輪《白妃の涙》に触れた瞬間、花嫁とは無関係の少女の絶叫と、亡き母の姿を“感情の残響”として読み取ってしまう。

 石は完璧な透明度を持ちながら、まるで来歴を漂白したように何も語らない。それなのに、凛香の指先だけが、火事の熱と喪失の痛みを拾ってしまう。
騒然とする会場に現れたのは、世界に五人しかいないSS級鑑定士であり、凛香の姉・東雲華乃。
 華乃は《白妃の涙》を「天然ダイヤモンド」と断言し、妹の発言を“証明不能な感想”として切り捨てる。
 だがその冷徹さの奥には、七年前の事故で母を失った姉妹だけが知る、触れてはいけない秘密が眠っていた。

 凛香が石の残響を追う中で出会うのは、火傷の痕を持つ少女・神代澪。
彼女こそ《白妃の涙》に刻まれた絶望の持ち主であり、石へ残された“悲しみの記録”は、母が開発した合成記憶結晶技術と深く結びついていた。

 石は嘘をつかない。
しかし、人は石に嘘を着せる。
 来歴を消し、感情を複製し、価値だけを残す者がいる。王冠競売の舞台で、凛香と華乃は対立鑑定士として向かい合う。
 三つの《白妃の涙》、複製された感情、消されかけた事故記録。
 そして、誰が悲しみを返し、誰が保管し、誰が手放すのか――その“選ぶ権利”を巡る戦いが始まる。
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