趙雲に取り憑いた。――だが、趙雲本人の魂もまだいる ~黄天に活屍が満ちる三国志~
最新エピソード掲載日:2026/08/25
北京で不動産仲介をしていた兆雲は、四十一度の猛暑の中、客を案内している最中に死んだ。
次に目を覚ました時、彼は後漢末の少年になっていた。
その名は――趙雲。
あの常山趙子龍である。
ここまでは、よくある話だったのかもしれない。
ただし一つだけ、致命的におかしなことがあった。
本物の趙雲も、まだその身体の中にいた。
「俺の身体から出ていけ!」
「出られるなら、とっくに出てるよ!」
同じ「ちょううん」という名を持つ二人は、一つの身体を奪い合いながら、やがて奇妙な共生を始める。
だが、彼らが生きる後漢末は、兆雲の知る『三国志』とは少しずつ違っていた。
太平道の符水から漂う、かすかな黴の臭い。
死んだはずの者が、再び立ち上がる村。
人の身体を蝕みながら、時に人ならざる力さえ与える何か。
黄巾の乱。 董卓。 呂布。 曹操。 劉備。
知っている歴史は、確かにこれから始まる。
ただし、その歴史の陰では、誰も知らないもう一つの災厄が広がり始めていた。
これは、英雄になるはずの趙雲と、英雄になどなりたくない兆雲が、同じ身体で乱世を生きる物語。
三国志演義を軸に、正史・民間伝承・中国の志怪を織り交ぜた、感染終末三国奇譚。
※本作はカクヨムでも同時掲載しています。
次に目を覚ました時、彼は後漢末の少年になっていた。
その名は――趙雲。
あの常山趙子龍である。
ここまでは、よくある話だったのかもしれない。
ただし一つだけ、致命的におかしなことがあった。
本物の趙雲も、まだその身体の中にいた。
「俺の身体から出ていけ!」
「出られるなら、とっくに出てるよ!」
同じ「ちょううん」という名を持つ二人は、一つの身体を奪い合いながら、やがて奇妙な共生を始める。
だが、彼らが生きる後漢末は、兆雲の知る『三国志』とは少しずつ違っていた。
太平道の符水から漂う、かすかな黴の臭い。
死んだはずの者が、再び立ち上がる村。
人の身体を蝕みながら、時に人ならざる力さえ与える何か。
黄巾の乱。 董卓。 呂布。 曹操。 劉備。
知っている歴史は、確かにこれから始まる。
ただし、その歴史の陰では、誰も知らないもう一つの災厄が広がり始めていた。
これは、英雄になるはずの趙雲と、英雄になどなりたくない兆雲が、同じ身体で乱世を生きる物語。
三国志演義を軸に、正史・民間伝承・中国の志怪を織り交ぜた、感染終末三国奇譚。
※本作はカクヨムでも同時掲載しています。
第一巻 常山驚変
第一章 燕京の炎日、残夢を消し 真定の寒窓、旧主を驚かす
2026/08/01 12:00
第二章 両魂、一室に相容れず 病一つ、堂に禍を起こす
2026/08/01 18:00
第三章 群屍、舎を囲みて童子を驚かす 一念、身を奪いて胆魄を見る
2026/08/01 21:00
(改)
第四章 病骨、板に縛られて人と断じ難し 一室の咳声、夜も尽きず
2026/08/02 20:00
第五章 残り酒をもって今宵に酬いんとし 酔うて孤魂、旧き身を語る
2026/08/03 20:00
第六章 三たび故人を刀の下に送り 一口の双声、鬼神を分かつ
2026/08/04 20:00
第七章 飢えを忍びて閑かに神仙の事を語り 病退きてふと魍魎の声を聞く
2026/08/05 20:00
第八章 悪童、詐死にて衆怒を招き 空村の遺書、帰路を導く
2026/08/06 20:00
第九章 妄りに日華を採りて大道を求め 初めて内息を調え拳脚を試す
2026/08/07 20:00
第十章 朝に醒めて忽ち身の主変わり 村西にて初めて竹を以て槍を試す
2026/08/08 20:00
第十一章 両魂、暫く身を輪番と定め 群屍、次第に故村へ来たる
2026/08/09 20:00
第十二章 内力、初めて流民を驚かし 虚名、かえって少年の心を乱す
2026/08/10 20:00
第十三章 鉄騎縦横、尸陣を衝き 長槍怒りて荒野を震わす
2026/08/11 20:00
第十四章 誤って絶地に入り尸陣に逢い 槍を横たえ馬を勒して文醜を見る
2026/08/12 20:00
第十五章 内外の兵、合して死路を開き 満村、血に染まりて尸声息む
2026/08/13 20:00
第十六章 巧言もて名将と相酬い 帰鞍にふと血の黴ぶを覚ゆ
2026/08/14 20:00
第十七章 強いて笑みを作り後事を語り 忍ぶ涙もて恩師に拝す
2026/08/15 20:00
第十八章 絶処にふと生路開け 功成りてまた貪功の念動く
2026/08/16 20:00
第十九章 同門、久闊を叙して英傑に逢い 数語たちまち槍戟の争いを起こす
2026/08/17 20:00
第二十章 双槍並び起ちて飛将と戦い 一戟空を横切り俊雄を識る
2026/08/18 20:00
第二十一章 同源異法に符水を疑い 一体双魂に奉先驚く
2026/08/19 20:00
第二十二章 鳳翔九天、初めて翼を試し 荒観に酒を酌みて龍淵を識る
2026/08/20 20:00
第二十三章 古剣、炉辺に鋳剣を語り 一言、首を断ちて真心を見る
2026/08/21 20:00
第二十四章 山溪、誤って無声を生路となし 一塚新たに埋めて言未だ尽きず
2026/08/22 20:00
第二巻 黄天霧起(こうてんむき)
第二十五章 黄巾俄かに起こりて帰路を促し 一諾重く留めて続きの槍を待つ
2026/08/23 20:00
第二十六章 黄天、一夜にして冀州を覆い 流民百余、城門を叩く
2026/08/24 20:00
第二十七章 九周たちまち丹田の気を拓き 一窓の餅香、腹の虫を誘う
2026/08/25 20:00