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ジェームズ・ナナモと蘇りの輝跡

作者:まれ みまれ
(シリーズ第4弾)杵築医科大学に入学したジェームズ・ナナモは提出書類の不備という自らの穢れと向き合いながらも、何とか二回生に進級することが出来た。しかし、その喜びも束の間、医学部での専門課程である解剖学の実習が始まると、蘇りの世界に取り憑かれる。蘇りはご遺体に対してだと思っていたが、嘗て自ら死を選ぼうとしたナナモは、オンリョウからナナモ自身の事だと囁かれる。過去の記憶を失くしているナナモはそれでも抗おうとするが、そうすればするほど自らの記録と記憶が薄れていき、このままでは折角始まった医学の専門分野の勉強までも何一つ身に付かなくなるのではないのかと心が折れそうになる。しかし、解剖学実習がひと段落つき、鎌倉での医学部剣道大会に出場したり、同室者に誘われたボート競技に参加したり、異世界であるカタスクニで、ある実習を課せられたりすることで、過去ではなく今に没頭することを余儀なくされたナナモは、辛うじて自らを保っていた。それでも、心根から蘇りが消えたわけでもなく、解剖体慰霊祭を契機に、今度は自らの過去を知りたいと思う欲求が、オンリョウの声とともに、ナナモを再び蘇えりの世界に引きずり込もうとする。悩むナナモはカタスクニからの使命ではなく、自らの意志でその憂いに打ち勝とうと異世界に赴く。そこでナナモは、自らの過去を知る術を提示され、ある蘇りの軌跡をひとつの物語のように眺めていたが、結局ナナモは自分の過去を一つだけおぼろげながら知るだけだった。現実世界に戻ったナナモは、何時しか蘇りの呪縛から解き放されていたが、自分の軌跡は輝いていたのだろうかと思う一方、蘇りへの妄執は、ご遺体に対してでも、ナナモにとってでもなかったのではないかと疑心暗鬼になりながら、まだ見ぬ未来へのために、今を、そして前を向いて歩きだす。
(2)骨学実習
2025/08/15 14:52
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