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石窯のある家 ――英語より難しい、ふたりの距離

作者:早瀬 構
最新エピソード掲載日:2026/11/01
たった四十点のために、六十六万円を払った。

一九八九年春。二十四歳の商社マン・山本直樹は、実家の米と酒をいつか世界へ売り出すため、TOEIC六五〇点を目指して英会話学校に入学する。

ところが、待っていたのは想像以上に手強い英語と、もっと手強い外国人講師たちだった。

遠慮を知らないアメリカ人講師ジェニファー。理屈っぽくて、他人との距離に厳しいイギリス人講師クレア。

庭に大きな石窯のある直樹の家は、ひょんなことから彼女たちの集まる場所になってしまう。

人の頼みは断れない。相手の気持ちは読み違える。家族には素直になれない。そんな直樹が英語を学ぶうちに気づいたのは、自分の気持ちを伝えることの難しさだった。

英語を話せるようになりたかった男と、自分の心をうまく話せなかった女。

石窯の火を囲みながら、不器用な二人の距離が少しずつ変わっていく。

昭和の終わりから平成の始まりを舞台にした、ちょっと可笑しくて、温かな恋愛と成長の物語。
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