君の本質
それは、夏の盛りを迎えた大阪・西成での出来事だった。
小便と汗が混じりあった路地裏の匂いのなか、義手の男が少女の糞便を美術品のように見つめていた。
「……君の“本質”はここにある」
深山惇は、便器の底に沈むそれを銀製のスプーンで掬いあげながら、至福のように目を細める。
その背後に、凛子が裸で立っていた。眼だけが潤んでいる。
「先生……わたしの中、また……見て……」
それは愛か、狂気か。
小便と汗が混じりあった路地裏の匂いのなか、義手の男が少女の糞便を美術品のように見つめていた。
「……君の“本質”はここにある」
深山惇は、便器の底に沈むそれを銀製のスプーンで掬いあげながら、至福のように目を細める。
その背後に、凛子が裸で立っていた。眼だけが潤んでいる。
「先生……わたしの中、また……見て……」
それは愛か、狂気か。
第一章「不浄の邂逅」
2025/08/02 14:33
第二章「義肢と便器」
2025/08/02 14:51
第三章「切断室(カットルーム)」
2025/08/02 14:53
第四章「失禁プレイと破裂死体」
2025/08/02 14:55
第五章「裏風俗・腸責めの夜」
2025/08/02 14:56
第六章「警察の影と“膀胱調教”」
2025/08/02 14:57
第七章「義肢猟奇団・本拠地と“屎尿アート解剖室”」
2025/08/02 14:58
第八章「膀胱で引き金を引け――エリカの選択」
2025/08/02 14:59
第9章「切断された恋人たち――北海道“義肢カルト村”の闇」
2025/08/02 15:02
第十章「儀式の夜、白い雪と赤い足――凛子の決断」
2025/08/02 15:03
第十一章「“名古屋”への帰還――消された映像と第三の殺意」
2025/08/04 09:55
第十二章「燃える部屋、偽装死体、そして地下納骨堂の“義足の声”」
2025/08/04 09:56
第十三章「雪原の仮面、“足を求める男”と灰色の契約」
2025/08/04 10:00
第十四章「Z-9の座標、“生きた脚”の真実」
2025/08/04 10:02
第十五章「義肢列車と追跡者“月見草”――生体密輸ルートの交差点」
2025/08/04 10:03
第十六章「マルセロの収集室――“記録の本体”と生きた設計図」
2025/08/04 10:05
第十七章「Z-9の本名――“灰原エリ”と禁じられた外科記録」
2025/08/04 10:07
第十八章「“患者M”の帰還――異形の恋と復讐の匣(はこ)」
2025/08/04 10:08
第十九章「月読の聖域――“神を造る装置”の核心」
2025/08/04 10:09
第二十章「封じられた対話――Z-9が見た“最後の景色”」
2025/08/04 10:11
第二十一章「記憶の檻を壊す者たち――禁断の手術台と嘘の真実」
2025/08/04 11:48
第二十二章「灰原エリの肖像――静かなる神の反逆」
2025/08/04 11:49
第二十三章「十三の工場跡――“N”の聖堂と肉体の証明」
2025/08/04 11:51
第二十四章「血の構造――N機構の起源と、もう一つの灰原エリ」
2025/08/04 11:53
第二十五章「知床リザレクション――封印されたH-エリと“人体の系譜”」
2025/08/04 11:55
第二十六章「神を盗め――知床脱出と、血の継承」
2025/08/04 11:57
第二十七章「“アイ”という名前――東京・分断都市と遺伝神話の真相」
2025/08/04 11:58
第二十八章「Z-0の記憶――“原罪”と“創造主”」
2025/08/04 12:00
第二十九章「象徴戦争――国家、神、そして個人の選択」
2025/08/04 13:01
第三十章「始まりの場所――失われた“名前”を抱いて」
2025/08/04 13:03
第三十一章「黒い詩篇――反国家連続体《NOEMA》の叛乱」
2025/08/04 13:04
第三十二章「象徴空白域――霞が関“名前なき都市”潜入戦」
2025/08/04 13:05
第三十三章「再名(サイメイ)機構――国家なき世界に“言葉”を取り戻す」
2025/08/04 13:06
第三十四章「名前なき創造者――鰊場の“ドクトル”との対峙」
2025/08/04 13:08
第三十五章(最終章)「ことばのない世界に、最初の名前を」
2025/08/04 13:10
エピローグ「無名の風、名を持つ火」
2025/08/04 13:12