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大魔法使いの「好き」は信用できません ~師匠の愛が今日も軽すぎます~

作者:HaKo
最新エピソード掲載日:2026/09/30
「フィオナ、今日もかわいいね。好きだよ」

「はいはい。知ってます」

大魔法使いローレンス・クロウリーは、今日も軽々しく「好き」と言う。

戦争孤児だった7歳のフィオナを拾い、育て、魔法を教えてくれた人。

幼い頃から「かわいい」「大事だ」「好きだ」と惜しみなく愛情を注がれてきたからこそ、フィオナは知っている。

師匠の言う「好き」に、深い意味なんてない。

少なくとも、フィオナが望むような意味は。

けれど23歳になった今も、叶わない恋を抱えたまま師匠のそばにいるわけにはいかない。

この恋を終わらせるためにも、そろそろ師匠離れをしよう。

そう決めたフィオナは、王都で魔法使いとして働き、この家を出るつもりだとローレンスに告げる。

いつものように笑って「頑張っておいで」と言われると思っていた。

ところが。

「……フィオナ。ここを出るの?」

いつも余裕たっぷりの大魔法使いから、笑みが消えた。

フィオナは知らない。

かつて娘のように愛されていた自分が、いつの間にか一人の女性として愛されていることを。

そして、何気なく聞き流してきた彼の「好き」が、ひとつ残らず本心だったことを。

これは、叶わない恋を終わらせたい弟子と、愛する弟子をどうしても手放せない大魔法使いの物語。

彼の言葉は、今日も軽い。

――けれど、その愛はどうしようもなく重い。
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