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「凍える声で、私を呼ばないで」——氷の公爵様は、涙に触れた夜だけ人間に戻る 〜無能と追い出された令嬢の涙が、唯一彼の呪いを溶かすのだそうです〜

最新エピソード掲載日:2026/09/10
「無能」と蔑まれ、妹の身代わりとして北方の“氷の公爵”レオンへ嫁がされたクレア。そこで彼女が出会ったのは、冷酷な怪物ではなく、呪いに身体を蝕まれながらも領地を守り続ける孤独な青年だった。

ある夜、死にかけたレオンを前にクレアが流した一滴の涙が、彼を覆う氷を溶かす。

けれど、涙はいつでも効くわけではない。無理に泣いても、悲しい記憶を思い出しても、氷は溶けなかった。

それでもレオンは彼女を治療道具にしようとはしない。

「妻は薬ではない」

役に立つことでしか自分には価値がないと思っていたクレアは、初めて自分自身を守ってくれる人を知り、やがて二人は政略ではなく互いの意思で未来を望むようになる。

ところが、幸せを願うほどレオンの身体は激しく凍り始める。

なぜ彼は未来を望むことを恐れるのか。
なぜクレアの涙だけが、凍った心へ届くのか。

やがて明らかになるのは、誰かにかけられた呪いではなく、レオン自身が過去の罪悪感から選んだ「未来を捨てる誓い」。

失ったものは戻らない。
傷ついた過去も消えない。

それでも二人は、互いを救うために自分を犠牲にするのではなく、過去を抱えたまま「明日を生きたい」と願うことを選んでいく。

これは、泣かない令嬢と凍える公爵が、もう一度未来を信じられるようになるまでの物語。
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