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『負けず嫌いを極めたらいつの間にか世界を救ってた件 ―俺と29人の仲間の物語―』

作者:まろじろう
最新エピソード掲載日:2026/09/23
「……次は絶対負けねえ」

デビュー戦、わずか三十秒。

アキトは負けた。

才能がなかったわけじゃない。
隠された力が目覚めるわけでもない。
伝説の血筋でも、選ばれた英雄でもない。

ただ一つ。

こいつは、とんでもなく負けず嫌いだった。

舞台は、国家が消滅した未来。

高度AI《マリア》によって生存のための労働から解放された人類は、競技、創作、娯楽に人生を注いでいた。

そして世界中を熱狂させている競技がある。

アーマードファイト《戦(いくさ)》。

己の身体と脳波で二十メートル級人型機動体《キジン》を操り、相手の《角》を奪う。

剣士がいる。

格闘家がいる。

舞う者がいる。

ただひたすら一撃を極めた者がいる。

強さに、正解などない。

そんな世界で、アキトは負け続ける。

負けて、考える。

試して、また負ける。

だったら変える。

それでも駄目なら、また考える。

何度でも。

やがて、一人で勝つことにこだわっていた青年は仲間と出会う。

ライバルと出会う。

自分とはまるで違う「強さ」と出会う。

一人では届かなかった場所へ、誰かとなら届くことを知っていく。

始まりは、たった一つだった。

――負けたくない。

世界を救うつもりなんてなかった。

英雄になりたかったわけでもない。

ただ目の前の敗北が、死ぬほど悔しかった。

だから、もう一回。

もう一回。

あと一回。

その諦めの悪さが仲間を変え、

戦場を変え、

そしていつしか――

世界の未来まで変えていく。

これは、最強の男の物語ではない。

何度負けても「まだ終わってない」と立ち上がり続けた、

一人の男と、29人の仲間の物語。

――諦めの悪さが、世界を変える。
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