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魔導騎兵が動くのは、俺が毎晩直していたからです ~産廃機と壊れたAIで、全ゲームの兵器を整備する~

作者:勇者ヨシ君
最新エピソード掲載日:2026/10/18
「お前の修理、もう要らないから」

フルダイブ型VRMMO『ヴァルハラ・ギア・オンライン』のサービス終了の夜。
鍛島修(かじしま おさむ)、三十五歳。現実では三年前に町工場を辞めて無職。
ゲームの中では、修理職ひと筋十二年、通算整備日数四千三百八十日の整備専門プレイヤーだった。

その彼が、最終レイドの直前に最強ギルドから追放された。
拠点に戻れば機体は全快する。だから、手で直す修理職はいらない――それがギルドの結論だった。

そして零時。サーバーが止まった瞬間、オサムは見知らぬ荒野に立っていた。
ゲームの世界が、本物になっていた。
ただし、たった一つの仕様を除いて。

【拠点帰還による全快機能は、この世界では提供されません】

一度壊れた機体は、二度と元には戻らない。
この世界で騎兵を直せるのは、ほんの一握りの技師だけ。

オサムが流れ着いたのは、各国が直せなくなった騎兵を捨てに来る「機兵墓場」の町。
鉄屑の山で彼が掘り当てたのは、攻略wiki最下位の産廃機――そして、自分が十二年間、毎晩整備し続けてきた相棒だった。

整備SSS。生身は、十二年分の筋力と器用。
八十キロのレンチ一本で、魔獣の関節も、騎兵の装甲も「分解」できる。

一方、オサムを追放した最強ギルドは、知識を武器に一国を乗っ取っていた。
だが、彼らのエース機は全部、拠点で全快する前提の設計だ。

【調律誤差2.1%/稼働限界まで、あと13日】

「修理完全完了《オール・リペア・コンプリート》、もうどこも壊れていない」

直せないものはない。直さない奴がいるだけだ。
追放された修理職が、壊れた機体と、壊れた世界を直していく、整備兵の成り上がりと、ちょっと遅れたざまぁの物語。
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