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王都遺品整理局タキウス・サイデルの憂鬱

作者:高遠雪斎
最新エピソード掲載日:2026/11/02
王都遺品整理局の調査官、タキウス・サイデルには悩みがある。

遺品というものは、持ち主が死んだあとまで面倒を起こすのだ。

この世界では、人が使っていた品に「残響」と呼ばれる記憶の痕跡が残ることがある。過去の光景が見えたり、死者の声が聞こえたりする、なかなか便利な魔法だ。

ただし、肝心なところは教えてくれない。

たとえば、死んだ冒険者が最期に誰かを抱いていたとしても、それが恋人だったとは限らない。

タキウスの仕事は、そんな当てになりそうで当てにならない残響を調べ、遺品の持ち主を確かめ、返すべき相手を探すこと。

ところが、遺族は受け取りを拒み、関係者は秘密を抱え、鑑定封印官エレナには報告書を直される。ようやく立てた推理も、専門家の一言でひっくり返る。

「偽りの婚約指輪」、「返せない義眼」、「秘密を抱えたメイドの遺品」。おまけに、「呪われたパンツ」まで。

どうして遺品を整理するだけで、こうも厄介事が増えるのか。

それでも、持ち主が分かったからといって仕事を終わらせるわけにはいかない。

遺品を返すことが、残された人を傷つける場合もある。死者の記憶が、必ずしも真実を語るとは限らない。

そして、日々の調査で見つかる小さな食い違いは、次第に見過ごせないものになっていく。

名探偵でも英雄でもない、ごく普通の一人の遺品調査官。

厄介な遺品と、それ以上に厄介な人間たちに振り回される、少し不思議な王都のお仕事ミステリー。

【更新予定】
11月6日までは毎日20時10分更新。
11月7日からは火・木・土曜日の20時10分更新。
第一部全61話、執筆済み。
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