綺麗なものがひとつ生まれると、汚いものがひとつ消える世界の話
『わたしの周りで、最もこの世から消えるべきものは何でしょうか。一番汚いものは、何でしょうか』
綺麗なものがひとつ生み出されるたび、汚いものがひとつ失われていく。そんな<法則>が現れた世界。
クラスメイトの本浄瑠璃は、勉強も運動もできず、教室でも孤立していた。
何の取り柄もない彼女には一つだけ趣味があった。写真を撮る時だけ、彼女は自分の存在を実感できる。僕は写真を撮る彼女を見るのが好きで、彼女と一緒に出かけるようになった。
しかし、そんな彼女が綺麗な写真を撮るたび、<法則>によってひとつ汚いものが失われていく。
初め、彼女が何を失っているか知らなかった。どうせ要らないものだから、考えなくてもいいと思ったんだ。けれどそれは僕にとって、見過ごすことのできないものだった。
失うことを望む彼女と、彼女に寄り添う無力な僕。
世界に見放された少女の逃避行、その果てには何が待っているのだろう。
(この作品はカクヨム様、note様にも掲載しています。)
綺麗なものがひとつ生み出されるたび、汚いものがひとつ失われていく。そんな<法則>が現れた世界。
クラスメイトの本浄瑠璃は、勉強も運動もできず、教室でも孤立していた。
何の取り柄もない彼女には一つだけ趣味があった。写真を撮る時だけ、彼女は自分の存在を実感できる。僕は写真を撮る彼女を見るのが好きで、彼女と一緒に出かけるようになった。
しかし、そんな彼女が綺麗な写真を撮るたび、<法則>によってひとつ汚いものが失われていく。
初め、彼女が何を失っているか知らなかった。どうせ要らないものだから、考えなくてもいいと思ったんだ。けれどそれは僕にとって、見過ごすことのできないものだった。
失うことを望む彼女と、彼女に寄り添う無力な僕。
世界に見放された少女の逃避行、その果てには何が待っているのだろう。
(この作品はカクヨム様、note様にも掲載しています。)
プロローグ
1: 『きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ』
2021/06/26 16:14
(改)
第一章
2: 隣の席の本浄瑠璃はとても生き辛そうな人間だ
2021/06/26 16:23
(改)
3: 彼女に勉強を教えることになった
2021/06/26 21:00
4: 彼女も僕もクラスでは浮いていた
2021/06/27 21:00
5: 星を見に行く約束をした
2021/06/28 21:00
6: 一緒に見た星空はとても綺麗だった
2021/06/29 21:00
7: 孤独な僕と彼女は手を取り合った
2021/06/30 21:00
第二章
8: 夏休みを一緒に過ごすことになった
2021/07/01 21:00
9: 知らない町の駄菓子屋に行った
2021/07/02 21:00
10: 何かが消えた
2021/07/03 21:00
11: 遊園地だった場所に行った
2021/07/04 21:00
12: 本浄瑠璃は汚い何かをこの世界から消していた
2021/07/05 21:00
第三章
13: つまらない教室は簡単に彼女を傷つけた
2021/08/11 21:00
14: 彼女はずっと不幸だった
2021/08/12 21:00
15: どれだけ悲しくても夜空の星はばかみたいに綺麗だ
2021/08/13 21:00
16: 僕は最後まで彼女に付き合うことにした
2021/08/14 21:00
17: 彼女は町にさよならを告げた
2021/08/15 21:00
第四章
18: 僕と彼女の逃避行が始まった
2021/08/16 21:00
19: ありふれた空虚な言葉を信じるしかなかった
2021/08/17 21:00
20: あの日、彼女は幸せだったのだろうか
2021/08/18 21:00
21: 夏、南の果て、最後の日
2021/08/19 21:00
22: 短い旅の終わり、長い長い旅の始まり
2021/08/20 21:00
終章
23: 僕だけがあの町に戻る
2021/08/21 21:00
24: 僕にはまだ親がいる
2021/08/22 21:00
25: 僕だけ季節が過ぎゆく
2021/08/23 21:00
26: ふいにあの時の猫を思い出す
2021/08/24 21:00
27: やっとわかったことがひとつある
2021/08/25 21:00
28: 『世界一美しい公式』
2021/08/26 21:00
29: この世界とあの世界
2021/08/26 21:00
(終)30: あまのじゃく
2021/08/26 21:00