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(終)30: あまのじゃく
[最後に]
この世界はきっと、すごくあまのじゃくなのだと思う。
綺麗だと思っていたものが不意に醜く映ることもあるし、汚いと思っていたものが偶然輝きを見せることもある。
尊敬していた素敵な友人が、ある日突然自分を裏切ることもある。
疎ましく感じていた曇り空が、ある日には心を慰めてくれる。
喜びの涙を美しいと思う人間もいれば、悲しみの涙を美しいと思う人間もいる。
そういう世界で、きっと僕達は生きていた。
そんな世界を僕達は何度も嫌ったけど、最後の最後でもう一度、とても素敵だと思うことができた。
そういう世界で、きっと君たちはこれからも生きていく。
どうか、そんな世界を愛して欲しい。ほんの一瞬でも構わないから。何度嫌っても構わないから。
最後の一瞬だけは、愛して欲しい。
風がカーテンを揺らしていた。その隙間から陽光が差し込み、消えた彼の机を照らしていた。
もぬけの殻になった机の上に、詩集が一つ置かれている。
表紙には一枚の写真が描かれていた。
南の果てで見つけた素敵な景色、それを背にして、少年と少女が幸せそうに笑っていた。
(終)
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
かけがえのない時間を使ってくださり、本当にありがとうございました。




