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【昭和実話】辞表を出すたび遠くの国へ飛ばされるんですが!?

作者:Ryoichi
最終エピソード掲載日:2026/10/15
「空気の分子量はいくらかね」

入社面接で問われたその一問に即答したところから、十年が始まった。

配属されたのは、鹿島建設も三菱重工も下請にする部署。
二十代で北京へ送られ、エチレン工場の試運転をやった。
次はアルジェリアの砂漠で技術指導。

さすがに疲れて辞表を出したら、「給料に不満か」と聞かれたので「いえ、もらいすぎです」と答えた。
そしてフランスの片田舎に留学したのに、かつての上司から電話がかかってきて、また同じ砂漠へ送り返される。

その次は通訳として、赤道直下の西アフリカへ。

辞めるたびに、なぜかもっと遠くへ連れていかれる。
ご飯一杯にコクゾウムシが三十匹浮く宿舎で、
看板のない社会主義国を五千キロ走り、
教えた諺を午後の会議で敵に使い返される。

これは、一人のプラント技術者が世界の現場で見たものと、
そこで出会った人たちの十年の記録である。

※本作に登場する日本人の名前は、ご本人の特定を避けるため一部を仮名にしています。学校名も同様に伏せてあります。
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