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鏡花水月謎解帖 〜情と理で解く、江戸の小さな謎〜

鏡花水月謎解帖⑤ー猫又双紙ー

作者:初音 澪
最新エピソード掲載日:2026/06/04
「鏡花水月謎解帖」第五作 

 しだれ桜の咲く真性寺。
 寺子屋には、ようやく穏やかな日々が戻っていた。
 長らく留守にしていた鏡之介も帰り、水絵はほっと胸をなでおろす。

 そんな折、寺に持ち込まれたのは――九匹の生まれたばかりの子猫と、九歳の母猫。
 “九”という不吉な数を嫌った飼い主が、寺に助けを求めてきたのだ。

 寺子たちは子猫に名前をつけ、引き取り手を探して奔走する。
 やがて八匹は新しい家族のもとへ旅立つが、ひときわ小さく弱い一匹――クロだけが残されてしまう。

 そのクロに向かい、鏡之介は言い放つ。
「尻尾が長い。――猫又になるかもしれんな」

 らしからぬ不穏な言葉に、水絵は戸惑いを隠せない。

 やがてクロは、髪結床の娘・るいに引き取られる。
 兄・礼次とともに両親を説き伏せての決断だった。

 だが――クロはまもなく、静かに息を引き取る。

 深い悲しみに沈むるい。
 手厚く葬られ、やがて立ち直ったかに見えた彼女だったが、ある日を境に寺子屋へ姿を見せなくなる。

 布団に閉じこもり、何かに怯える日々。

 理由を問う水絵に、鏡之介は静かに告げる。
「猫又の仕業だ」

 それは、ただの迷信か。
 それとも――本当に“何か”がいるのか。

 猫又の正体とは。
 そして、るいの笑顔は取り戻せるのか――。
1 桜の下の九つ
2026/05/21 20:00
2 九十九の算
2026/05/22 20:00
3 まだここにいる九匹
2026/05/23 20:00
4 子猫と約束
2026/05/25 20:00
5 頼みごとひとつ
2026/05/28 20:00
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