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『悪役令嬢は、今世でも悪役令嬢として生きたい』

悪役令嬢な伯爵令嬢は、獣人族の族長に「番」として愛される ~研究者の私を、狼の旦那様は離してくれません~

最新エピソード掲載日:2026/09/22
「番だから、好きになったわけじゃない」

そう思っていたのは、二人とも同じだった。

伯爵令嬢クラリス・オーブリーには、前世の記憶がある。

優秀すぎて疎まれ、我慢だけを重ねた前世。あっけない事故死の果てに浮かんだのは、「私の人生って、何だったんだろう」という虚しさだけだった。

だから今世は、自分の心に嘘をつかないと決めている。

伯爵令嬢という肩書きを持ちながら、危険な魔法生物学の研究に没頭する変わり者。そんな彼女が出会ったのは、獣人族の族長・ヴァルク。人間には見たこともない密度の魔力を纏う彼に、クラリスは一目で心を奪われる。

――研究対象として。

「触ってもいいですか」

口説き文句のつもりなど、欠片もなかった。

けれどヴァルクは、その真っ直ぐな好奇心にあっという間に絡め取られていく。

「――番って柄でもない人間だと思ったが」

初対面で覚えた、説明のつかない胸のざわめき。理性は「番」だからだと警戒する。それでも、共に過ごす時間が増えるたび、警戒はいとも簡単に溶けていった。

研究者として尊敬し合い、獣人族の姿も、彼の弱さも、隠さず見せ合うようになった二人。だが皮肉にも、恋を自覚した瞬間から、これまで誰よりも大胆だったクラリスが、彼の前でだけ動けなくなる。

「以前はもっと近かっただろう」

追う男と、逃げる女。

それでもヴァルクは、決して逃がすつもりはなかった。

「クラリス。俺は、お前が好きだ。番だからじゃない」

理屈でも運命でもなく、ただ、お前自身が欲しい――。

だが、幸せな日々の先には、彼女の夢と彼の役目、それぞれの人生をかけた選択が待っていた。離れ離れになっても、「番が離れることはない」という彼の言葉を信じて――。

違う種族の彼に見初められ、狼の旦那様は絶対に離してくれない。

人間と獣人、住む世界の違う二人が、それぞれの誇りを捨てずに愛を貫く、溺愛系異種族ラブストーリー。
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