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猫の揉み処

作者:ゆも
最終エピソード掲載日:2026/05/31
終電帰りの夜。心も体も限界だった会社員、住宅地で見覚えのない看板を見つける。

――『猫の揉み処 本日営業中』

肉球マークがついている。
昼は完全予約の薬膳カフェ。けれど夜になるとその店は、“本当に疲れた人”にだけ見える不思議な癒し処へ変わる。
出迎えるのは、料理は少し苦手だけれど世話焼きな店主と、なぜか絶妙にマッサージが上手い猫たち。
肩に乗ってゴリゴリ凝りをほぐす猫。お腹の上で喉を鳴らし、不眠を眠りへ導く猫。無愛想なのに、誰より人の心に敏感な猫。
店を訪れるのは、仕事に追われる会社員、家族に疲れた主婦、夢を諦めかけた若者、誰にも弱音を吐けなくなった人たち。
猫たちは今日も、言葉にならない疲れをそっと揉みほぐしていく。
これは、少し不思議な夜の店で、傷ついた人たちがほんの少しだけ明日を取り戻す物語。
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