真贋戦隊コクインジャー ~一番になれなくていい。一点物になれ~
最新エピソード掲載日:2026/08/19
看板屋の字が、ある朝、急に上手くなっていた。
商店街の誰もが褒めた。誰も、変だとは言わなかった。
立ち止まったのは、鍛冶屋の若造が一人だけだった。
完璧な複製が、世界を書き換えている。
敵は殺さない。壊さない。より良いものに置き換えるだけだ。
置き換えられた側の暮らしは、むしろ良くなる。だから誰も抵抗しない。誰も気付かない。
火村燈、二十二歳。刀鍛冶の四代目候補。
打ち急ぐ癖が直らず、三年、刀を一本も仕上げていない。
父が遺した桐箱の中に、銘のない刀と、黒漆の印籠が入っていた。
変身の燃料は「朱」。自分が自分である分量を、燃やして作る。
減った分は、二度と戻らない。使い切れば、複製と見分けが付かなくなる。
力の源は才能ではない。
下手さ、遅さ、震え、詰めの甘さ。
複製出来ない手癖だけが、武器になる。
五人の職人見習いは、毎回、より劣ったものを守る側に立つ。
倒した後に残る本物は、たいてい、贋物より下手である。
それでも彼らは、そちらを選び続ける。
全百五十話。劇中で三年。
各話の終わりは句点で閉じない。「ただし、」で切れる。
そして次の話の一行目が、その続きになる。
一番になれなくていい。一点物になれ。
商店街の誰もが褒めた。誰も、変だとは言わなかった。
立ち止まったのは、鍛冶屋の若造が一人だけだった。
完璧な複製が、世界を書き換えている。
敵は殺さない。壊さない。より良いものに置き換えるだけだ。
置き換えられた側の暮らしは、むしろ良くなる。だから誰も抵抗しない。誰も気付かない。
火村燈、二十二歳。刀鍛冶の四代目候補。
打ち急ぐ癖が直らず、三年、刀を一本も仕上げていない。
父が遺した桐箱の中に、銘のない刀と、黒漆の印籠が入っていた。
変身の燃料は「朱」。自分が自分である分量を、燃やして作る。
減った分は、二度と戻らない。使い切れば、複製と見分けが付かなくなる。
力の源は才能ではない。
下手さ、遅さ、震え、詰めの甘さ。
複製出来ない手癖だけが、武器になる。
五人の職人見習いは、毎回、より劣ったものを守る側に立つ。
倒した後に残る本物は、たいてい、贋物より下手である。
それでも彼らは、そちらを選び続ける。
全百五十話。劇中で三年。
各話の終わりは句点で閉じない。「ただし、」で切れる。
そして次の話の一行目が、その続きになる。
一番になれなくていい。一点物になれ。
第一巻 素焼
第一巻 扉と目録
2026/08/07 17:00
第001話 銘のない刀
2026/08/07 17:00
第002話 土練りの唄
2026/08/08 17:00
第003話 墨壺
2026/08/09 17:00
第004話 杼
2026/08/10 17:00
第005話 一輪挿し
2026/08/11 17:00
第006話 組み継ぎ
2026/08/12 17:00
第007話 最初からひびの入った切子
2026/08/13 17:00
第008話 直しすぎた椅子
2026/08/14 17:00
第009話 継手の隙間
2026/08/15 17:00
第010話 銘印
2026/08/16 17:00
第011話 二本目の銘印
2026/08/17 17:00
第012話 窯変の茶碗
2026/08/18 17:00
第013話 新品の包丁
2026/08/19 17:00