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潔癖症の俺には中世風の魔法世界が無理でした ~妹のおくるみが汚すぎて叫んだら、いつの間にか衛生改革になっていました~

最新エピソード掲載日:2026/09/03
 三歳の朝、辺境伯家の三男アルノは、妹の産声を聞いて前世を思い出した。
 前世の俺は、現代日本で暮らしていた潔癖症の男。
 そして転生先は、中世ヨーロッパ風の魔法世界だった。
 最初に目に飛び込んできたのは、生まれたばかりの妹を包もうとしている、どこに置かれていたのかも分からない布。

「それで包むなあああああ!」

 手を洗え。
 水は煮ろ。
 布も煮ろ。
 刃物も煮ろ。
 井戸の近くに汚物を置くな。
 最初は、ただの神経質な子どもだと思われていた。
 けれど一年、二年と経つうちに、アルノの周りでは子どもが死ななくなっていく。
 赤ん坊が育つ。
 母親が生き残る。
 働き手が増える。
 畑が広がる。
 これは、潔癖症の転生者が汚すぎる世界に耐えられず、手洗いと煮沸を徹底した結果、見捨てられた辺境領を「子どもが死なない土地」へ変えていく。
 そしてその小さな悲鳴はやがて国にも届く。
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