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僕たちには未来へ羽ばたく翼がある

作者:和泉 きよ
最新エピソード掲載日:2026/10/18
戦争によって大地が荒廃してから、千年以上。

森林保護を目的とした条約によって地上には広大な森が広がり、人々は空に浮かぶ都市で暮らすようになっていた。

空を飛ぶために必要なのは、人々から『ツバサ』と呼ばれる飛行装置。

しかし、今では失われた技術であるその翼を持つことが許されるのは一部の人間だけだった。

かつて空中都市で暮らしていた少年は、ある出来事をきっかけに翼を失い、地上で暮らすことになる。

地上の学校へ通いながら、彼は自分の居場所を探していた。

そんな彼の前に現れるのは、幼い頃から彼を支えてきた空中都市の少女。

そして、かつて翼を持ちながら、自らそれを手放した少女。

翼を持つ者。

翼を持たない者。

飛びたい者。

飛びたくない者。

それぞれ異なる思いを抱えた仲間たちと出会い、少年は新しい『翼』を作り始める。

それは、失った翼を取り戻すためだけのものではなかった。

誰もが、生まれた場所や身分に縛られることなく、自分の行きたい場所を自分で選ぶための翼。

やがてその翼は、空中都市と地上という社会の境界だけでなく、学校、仕事、住む場所、そして人々の価値観までも変えていく。

けれど、自由とは本当に『選択肢が増えること』なのだろうか。

飛ぶ自由。

飛ばない自由。

やり直す自由。

迷い続ける自由。

そして、自分とは違う未来を選ぶ誰かを認める自由。

空を舞台に始まった少年たちの挑戦は、いつしか『人はどう生きるべきなのか』という問いへと変わっていく。

これは、失った翼を取り戻す物語ではない。

自分自身の未来を、自分の手で選び取っていく少年少女たちの、青春と成長の物語。

――僕等には未来へ羽ばたく翼がある。
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