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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

万舟のローファンタジー

『水星の塔の天鍵(クラヴィス) ――深海十五キロの機甲戦記』~【垂直15km極限バディSF】塔の支配を脱落した二人の機士。殺人兵器だった二機の鉄塊は、漆黒の深淵で人類を救う盾と矛へと変革する~

作者:万舟神楽
最新エピソード掲載日:2026/11/04
 海に沈んだ地球。巨大温室都市『水星の塔』は、底辺の労働者から真水を奪い、傲慢な繁栄を謳歌していた。

 洋上独立プラントの機士・レンは、仲間の命をつなぐ水を守るため、旧式機『アーチャー』を駆って塔の搾取に抗い続けていた。
 一方、塔の特殊維安部隊長・神崎玲司は、命令を絶対の正義と信じ、最新鋭機『ガーディアン』で反抗分子を冷徹に鎮圧する。

 相容れぬ二人が銃口を向け合ったその時、水深三千メートルの隔壁を突き破り、海底から未知の異形群が溢れ出した。
 絶対零度の冷気を撒き散らし、装甲を瞬時に凍結・粉砕する深海の怪異。
 人類存亡の危機を前に、塔の上層部が下した命令は――「現場の有人機ごと、隔壁を溶接して切り捨てろ」。

 背後の退路は炎で塞がれ、生命維持装置は遠隔パージされた。
 残された道はただ一つ。水深一万五千メートル、水圧千五百気圧の暗黒竪坑への不可逆のダイブ。

 摂氏マイナス百九十六度の液化窒素クエンチ。二千度の炉心熱。
 高機動戦闘わずか三十分で底をつくリチウムバッテリー。
 通信途絶、視界五メートル。信じられるのは、軋む操縦桿の油圧と、背中を預けたかつての宿敵の息遣いのみ。

「誰が相棒だ。気安く呼ぶんじゃねえ、軍隊様」
「了解した。貴様の無駄死にだけは、この俺が防ぐ」

 殺し合うために造られた二機の鉄塊が、極限の深淵で人類の明日を切り拓く盾と矛へ変わる。
 熱力学の限界を突破する、垂直十五キロメートルの極限機甲戦記。
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