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俳句 楽園のリアリズム(パート11・全)

 予定どおり「その他」の「詩」に投稿します。今回は詩だけではなくて、ほとんどバシュラールの助力だけで、61句の俳句のイマージュによるポエジーに、私たちのものになってきつつある詩的想像力や詩的感受性や詩的言語感覚を活性化してもらったほぼ理想の状態で、最後に、748篇も収録された「高田敏子全詩集」からの5篇と、オマケとして、大好きな大木実の詩のなかでも特に大好きな「田舎の駅」という詩1篇を味わっていくことになります。
 俳句などというと、思いつきだけでだれにでも簡単に作れてしまうといったひどく俗っぽいイメージがつきまとっていて、ほんとうの詩には程遠いと思われている方もなかにはいるかもしれませんが、なんでもない世界をただ写生しただけのような俳句が、かえって、結果として、幼少時代の楽園のように美しかった世界をリアルに写生してしまっていることに気がついた私にとっては、俳句こそ、ポエジーを味わうためにはもっとも理想的な詩。名のある作者の作品に限定されてしまいますが、絵画のように文学的な重苦しさから完全に解放された、世界に類をみない、沈黙に縁どられたもっとも純粋な一行詩として、私には読めてしまいます。
 そうした幼少時代の色彩で彩られたイマージュが必然的にもたらす俳句のポエジー=楽園の幸福が、意味作用に満ち満ちたふつうの詩(や短歌)を詩として味わうのに不可欠な、私たちの詩的想像力や詩的感受性や詩的言語感覚を育成してくれることになるのは、ごく自然なこと。そのことは、原稿用紙にして1200枚以上になる私の作品のなかで、利用させてもらっている700句以上の俳句のポエジーをくりかえし味わっては、読者の方どなたにも心から実感していただけたならと願わないではいられません。

 「世界は今もなお同じように美しいだろうか」「イマージュをたのしみ、イマージュをそれ自体として愛する」「こうして詩人の作品を読むことを通じて、自分が美しい世界に浴していると実感することができたのである」(ガストン・バシュラール)
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