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俳句 楽園のリアリズム(パート6-その2)

最新エピソード掲載日:2025/06/08
 今回の前半では詩を読んだりするだけで途方もない喜びの感情を味わうことのできたひとの、もうひとつの理由でもある夢想のオプティミズムを感じさせてくれるような言葉を、私の「バシュラール・ノート」から拾ってみました。
 夢想とは本来、自由で、だれにでもできる気楽な行為なのだと教えてくれて、しかも人生最高の喜びを私たちに体験させてくれるバシュラールって、ほんとうにすごい。
 

 私の作品には一首しか登場しませんが、人生の残り時間がまだたっぷりあると思われる方には、特殊な季語をおぼえなければならない俳句とちがって、1、2年つづければどうにかなるはずですし、短歌を味わうためのトレーニングをすることをここでおすすめしておきます。口語訳を対照しながら気が向いた箇所を適当に、万葉集、古今集、新古今集。なるべく分厚い現代短歌用語辞典みたいなもの(これは徹底的に読みこむ)あとは鑑賞書の類を10冊以上。それに私も愛用した短歌にでてくる漢字にも強くなることが期待できる「現代俳句読み方辞典」(博友社)とか。これだけでも、塚本邦雄は無理だとしても、ご自分の現在の語彙力にそれらをどれほどプラスすることできたかにもよりますが、10首のうち8首か9首は十分に味わえるようになるのではないかと思います。それでも分からない短歌はその段階では縁がなかったと諦めればいい。そのあいだに私のこの作品も読みつづけていただけたなら、自分で言うのもなんですが、まさに鬼に金棒です。
 
 そのうち、詩集や歌集を味わえるようになったとしても、いつまでも並行して私の作品も(それまでに本になっているとうれしいのですが)読みつづけていただけたなら、さらにその喜びをレベルアップしてさしあげられるはずです。
 
 それを書いた人間のなつかしくて愛すべき〈人生の時〉を、全歌集などに収録された作品の数だけ(あるいは、上記のトレーニングを終了するだけでもとりあえず10首のうち8首か9首は)、映画を見るほどの気楽さでどなたにも手軽に追体験させてくれるのが短歌のたまらない魅力です。
 
 俳句の純粋なポエジーと人生的な喜びや慰めが加味された詩や短歌の不純なポエジーと。
 
 「イマージュの幸福な継起にしたがって流れるか、あるいはイマージュの中心にあってイマージュが光るのを感じるか、二通りの夢想が可能ではあるまいか」(ガストン・バシュラール)
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