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俳句 楽園のリアリズム(パート7・完結-その3)

最新エピソード掲載日:2025/07/13
 
 まったく前例のない効果的なやり方だと自分では思っていますが、詩を読む前の40句の俳句のポエジーに、私たちの詩的想像力や詩的感受性や詩的言語感覚を活性化してもらって、まだそれほどの詩的能力が育っていない方にとっては、いまの段階で、考えうる最高に理想的な状態で、大木実の詩を5篇読んでみることになります。
 そのうち、意味作用に満ち満ちたふつうの詩(短歌もそうですが)を読むときには、夢想だとかイマージュだとか詩的想像力だとかをまったく意識しないで、なにも考えずに詩の言葉の意味をたどるだけのほうが、条件反射みたいに、しぜんと俳句のポエジーが育成してくれている私たちの詩的なたましいがあらわになって、かえって純粋な詩情や詩的な喜びや慰めを感じとらせてくれるようです。
  
 第1部では第2部に出てくるふつうの詩でいきなりレベルの高い詩的な喜びを味わってしまうことが目標みたいに言ってきましたが、とりあえずは、後半の66篇の詩でほどほどの喜びを味わうことができればそれで十分。そのあとも、66篇の詩をふくめた全33作の私の作品を、いつまでもくりかえし読んでいただくことが重要だと考えます。

 「詩的言語を詩的に体験し、また根本的確信としてそれをすでに語ることができているならば、人の生は倍化することになるだろう」(ガストン・バシュラール)

 そうしていただければ、遅かれ早かれ、そのうち、私の作品に触れる前には思いもしなかったような、詩を読むことの、深くて大きな喜びをご自分のものにすることができるはずです。

 「わたしたちは、幼少時代に遡る愛や愛着をそこにおかずには、水も火も樹も愛することはできない。わたしたちは幼少時代によってそれらを愛するのである。世界のこういう美のすべてを、今わたしたちが詩人の歌のなかで愛するとすれば、甦った幼少時代、わたしたちのだれもが潜在的にもつあの幼少時代から発して復活された幼少時代のなかで、愛しているのである」
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