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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

【名もない赤子】〜これは、全てから拒絶された少年が、人の在り方を見出す物語。[〜人の在り方〜]

作者:牛タン
最新エピソード掲載日:2026/10/16
「〜人の在り方〜」

灰人牧場――食糧や労働力になる奴隷を増やす所にて、灰人と人間の間に産まれた混血の赤子は、とある施設に引き受けられる。その施設は、彼の居場所など無く、彼は全てから拒絶された。
その肌の色ゆえに、嫌悪と軽蔑の眼差しを向けられ、誰も彼に手を差し伸べなかった…。少年にとっての日常は白黒の世界で、虚無同然だった。だが、一人の少女は、彼に近づき手を差し伸べる。感情を殺された少年は、そんな少女に心を許した。

これは、何者にもなれない混血の少年が…人の在り方を見出す物語である。




人は、自分が作った言葉によって自分自身を規定し、その規定を真実だと思い込んだ。

だから人は皆、模倣して生きている。

自分の言葉だと思ったものも、誰かに教えられた意味。
自分の感情だと思ったものも、誰かが表現した内面。
自分の思想だと思ったものも、誰かが託した産物。
自分の光だと思ったものも、誰かが抱きたかった幻想。

それでも人は、「自分」という名前をつけて
借り物の人生を抱きしめる。

人は、模倣して平気な顔をしながら、自分を殺す。
何に者にもなれない存在として産まれたのだから。

共感、理性、本能、希望、罪悪、感情、愛、恐怖、記憶、自我、執着、変化。
それを「自分」と定義する。

けれどその指先には、
いつだって自分と同じ汚れが残っているのだ。

何者にならんとする心が、生命の冒涜者である。
それがお前だ…。

人は人をよく嫌う。

そこに映る人が思っていたほど特別ではないからだ。

だから人は鏡を割り、破片ひとつひとつに
「自分」という名前をつけた。

自分だけは例外だと思っている。
とても愚かだ。

その愚かさが、なんと人らしいことだろう。

そして…。

なんと人らしくないことだろうか。

不条理は、開始点であり、終着点である限り
無関心な世界は、それでも人を助けた。

どうして人は、苦痛を嫌いになるのでしょうか。
苦痛は、美徳であり、救い主である。

それが悪として認識されるなら、我は否定しよう。
この世に悪など存在しないのだから。

全てが言語に塗られた偽りだらけの、死臭しか残らない世界のなかで…。

我苦しむ、故に我生きる。


※差別が酷い時代です。差別的な表現が不快に感じられる方は閲覧を控えるようお願い申し上げます。
※抽象的な暴力などが含まれます。
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