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第九話 自分が、分からない。

心の⬛︎⬛︎は、⬛︎⬛︎知⬛︎⬛︎⬛︎。

⬛︎⬛︎が⬛︎を⬛︎⬛︎し死体袋を作りだす。

⬛︎は、生まれながらの⬛︎⬛︎である。

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。

【193年2月1日】


 こんな少しボロい所に身の丈に合わない子が入って来た。


「どうも初めまして。私の名前は、ミーと言います。好きな食べ物は干しザクリと、マーマパイです。えと、好きな事は、お話しすることです!。私は灰人ですが、皆さんと仲良くできたら嬉しいです。えと、終わります。」


 その女の子は、名もない子と同じ背丈で、髪は肩まで伸びてあった。ここの子供達と同じ服装を着ており、元気そうな見た目だった。綺麗に育てられた見た目には、心の底から大切に扱われていたと察せられる。どれほど大切に育てられたのだろう。


 女の子の自己紹介が終わり、ミーは、名もない子供の隣に近づいた。


「わー。見たことない色してる。君ってあれ?人間と灰人の間で生まれたんでしょ!?。初めて見たー。」


 ミーは、周りの目を気にしずに、名もない子供の肌を馴れ馴れしく触る。名もない子供は痛がっていた。


「ひっ。ごめんなさい。」


「え?ごめんなさい?。」

「…触れられるの嫌だった?ごめんね。」


「おい灰人!混血と関わったら駄目だぞ!こいつは、この世に産まれてはいけない存在なんだ。」


 周りの子供達は、そうだそうだと笑いながら便乗している。だが、ミーは、それを否定的に答えた。


「誰が、そんなの決めたの。産まれてはいけないって誰が決めたの?。」


「それは、先生が決めたんだ!俺達の親もそう言ってる。だからそうなんだ。」


「だからって、産まれてはいけない人なんていないんだよ。誰もが産まれていい権利だってある。それを、平気で駄目とか、命を軽く扱うなんて最低!。」


 ミーは、名もない子の痣を見た。

 その痣は沢山あった。


「あんたら全員クズ…あんた達こそがっ、……」

「あんた達は、人以下よ。」


「なんだと、この灰人がっ!」


「よ、よせって、ラルフ。」

「あいつに手を出したら怒られるかもしれない。」

「聞いただろ。」


「チッ…クソが。絶対覚えとけよ。チッ…チッチッチッ。」


 舌打ちをわざと出しながら、子供は、どこかに行き子供達も、怒りを我慢している子供の方について行った。



「ねぇ。大丈夫?結構痩せ細せてるし、ちゃんと食べてる?」

「おーい。」


「………。」


「うーん。困ったなぁ。どうしよう。」


 名もない赤子は、ミーを見ているが反応が無い。薄い反応すら無い。


「可哀想…こんなになるまで追い詰められたなんて…。私が守ってあげる。その…できたらで良いけど、名前とか後で教えてね。」

「あぁ、あと私の自己紹介は聞いたよね?ね?。」

「……やっぱり反応ないなぁ。これからは私が、君の面倒を見るからね。」

「約束だよ。」


 ミーは、名もない赤子の手を掴み、指切りげんまんをした。


「私が守ってあげるから。」


 名もない子は、不思議そうに見つめていた。彼にとって、初(・)め(・)て(・)優しくされたのだから。初(・)め(・)て(・)暖かさを感じた瞬間だから。


 そんな、ミーに対して名もない子は、少し興味を抱いた。


「今日はさ、私の事でも聞く?聞いちゃう?」

「もちろん聞くよね?聞きたくないとか言わせないよー。」


「………。」


「…いつもこうなの?」


「………。」


 反応が明白に薄かった。人形のようでいて中身がない。綿を詰めただけの皮のように。


「自分のペースでいいよ。」


「………………………自分。」


「あっ、やっと喋った!。そうそう!」


「………。」


「あー…また…」


 今度は、名もない子に触れる。手を近づけると、怯える獣のように体がこわばっていた。最初は、少し掠めるぐらいに触れていたが、どうしても怯える姿が痛々しく…触れる事は叶わなかった。


 本来は、おちょくるように、こしょこしょするなど、腕を持ったりなどして、少しでも反応が欲しかった。


 だけど、予想とは裏腹に…相手を傷つけてしまった。


「…ごめん。怖いよね?。」


「…っ……………。」


「ごめんね…また話そう。」

「今日は皆んなから守ってあげるから。」

「そんな私を見て優しい人だって理解してね。私は待ってるから。」



 昼が訪れる。夕食の時間がやって来た。

 大人の声が部屋中に聞こえて、外にも少し聞こえる。その声に駆けつけた子供達は、急いでテーブルに向かった。


「僕が先ー!へへー!」


「またラルフが勝ったよー。」


「今回は勝てると思ったのに…クソっ。」


 最後に息切れした子供が帰って来た。


「はぁはぁっ、デザートあげなきゃいけないの?」


 どうやら子供達は、誰が先に座れるかを勝負していた。1番最下位だった者が勝者に、自分のデザートを渡す。そんな賭け事の遊びだった。そのデザートは、今日の晩御飯に出るマーマパイだ。


 だけど、1番先に居たのはミーだった。

 ミーは、既に座っていた。


「私が1番先だよーだ。」


「は?誰だよ。まずまず俺らと遊びに入ってなかったじゃん。」

「調子乗るなこの灰っ―」


 ラルフの隣にいた男の子が、それを無理にでも止めた。


「ラルフ…だめ…。」


「あ"ぁー!もうっ!」

「それがなんなんだ!なんで灰人なんかに構うんだよ!こいつがどんな奴だろうと知ったこっちゃねー!。そもそも灰人がなんでこ(・)こ(・)に(・)居るんだよ!。」

「はぁはぁ…灰人キメー。デザートはあげないからな。」


 ラルフは、大人しく席に座った。ミーを睨みながら。

 ちょうど、2階から名もない子が下に降りて来た。静かにゆっくりと音を殺しながら。


 入り口の前で皆んなが、どのくらい食べ進んでるのか見に来てた。それと何かに対して怒ってるラルフが気になってもいた。それが自分のせいだったら、すぐに謝らないといけないから。


 名もない子は、普段から夕食のために下に降りた事はない。あの日以降からだ。あれからと言うもの夕食の時は全く来なくなり、大人は名もない子の夕食を作らなくなった。


 名もない子は、朝の残飯と夜の残飯の時しか食べない。


 そしてもう子供達は、席に座っている。パンの上には食べ物が乗っていた。だけど、誰も名もない子の飯に手をつけていなかった。


 今日の夕食は、パンと野菜みたいだ。

 素朴な味がするパンと緑が濃い安物のドラゴンズッキーニだった。パンの上には、味付けされた豆が乗っている。


 ここではフォークなど普及しておらず、パンが皿だ。

 皿洗いが面倒みたいだからね。あと貴族に支援してもらっているし。パン代は、貴族が金を出している。


 ミーは、そんな名もない子を入り口でバレないように顔を出してるのを気づいたみたいだ。名もない子と目が合った瞬間に、ミーの顔は微笑んだ。名もない子を呼ぼうとしたら、覗いていた顔がひょいと消えていた。微笑んだ顔が怖かったのだ。


 良くないと思ったミーは、声を出して呼んだ。


「ねー!隠れてないで来なよ!美味しい食べ物が待ってるよ!」


 名もない子の足が止まる。

 もう一度覗いたみたいだ。


 名もない子を呼んだミーに対して気に食わなかったラルフは、めっちゃ睨んでいた。顔を赤くしながら、ぶつぶつと愚痴を言っている。


「こんな奴ら気にしないで一緒に食べようよ!」


 名もない子は、一向に来ない。

 子供達は、もう食べている。


 ミーは、席から離れて名もない子の所に足を運んだ。それを見て、こっちに来るとビビった名もない子は、尻餅をつく。目の前まで来られて、見下ろされていた。


「ほら早く来て。君のご飯が冷めちゃううちに。」


 ミーは、手を差し伸べた。

 名もない子が戸惑うと、ミーは無理矢理に手を握った。よいしょと立たせて、ダイニングまで連れて行く。だけど、抵抗してるみたいだが、力が弱くて引っ張られていた。


 扉を超えて、子供達がこちらを見ている。

 その視線が苦しいと感じながら、握られている手を握っていた。それを感じ取ったミーは、何も気にしない。


 名もない子を席に座らせて、ミーも座った。

 どうやら、隣同士みたいだ。これから食事をする時は、ずっと一緒なんだろうね。でも、まだ心は隣同士ではない。


 ミーと名もない子が食事を始めようとしていた。しかし、名もない子は、目の前の食事に手をつけない。


 彼にとって、食事の席は安心できる場所ではないから。周囲の子供たちも、ミーがなぜ混血と仲良くなろうとしているのが理解できず、不思議で仕方ない。



 自分の目の前には、パンと野菜が置かれていた。

 食べていいのだろうか…ここにあるものは、本当に自分の物なのだろうか。


 いつもなら、誰かが自分の分まで食べてしまう。食べようとすれば、横から手が伸びてくる。何も言わなければ、何も残らない。何か言えば、苦しくて痛い思いをする。


 だから、自分は手を伸ばさなかった。

 それが無意味であるから。


「んー? 食べないの?」


 隣から声がした…だけど自分は答えなかった。


「お腹すいてない?」


 そうだ…答えられなかった。

 ミーは、自分の皿を見つめていた。


「……そっか。じゃあ、私が先に食べちゃお!」


 彼女は、自分が食べるはずだったかもしれないパンを一口齧った。

 美味しそうに食べてる。


「うん、おいしい!」


 どうして、自分の隣にいるのだろう。


 分からないことばかりだった…それでも、彼女は隣にいた。自分が何も言わなくても、何も聞かなくても、まるで、それが当たり前であるかのように。


 でも…彼女には、暖かさがある。

 無意識に手が伸びてしまう…自分の手元には一つのパンを掴んでいた。


 自分は、それを口まで運び一口齧った。

 残飯として残されたパンの味と変わらないが…変化を感じる。綺麗な状態で食べていたから美味しく感じられたのか…それとも綺麗だからこそ美味しのか…分からないが、これが初めてだった。

 濃い緑の大きい野菜も食べた…不味い。


 彼女は、こんな不味い野菜を美味しそうに食べている。


 自分も彼女に合わせて食べなければ…ついて行かなければ。


 ―暖かさを失いたくない…。



「―私の自己紹介の時にさ、好きな食べ物はマーマパイって言ってたでしょ?。実は今日の晩御飯にマーマパイが出るんだ。」


「………。」


「食べた事ないと思うけど、とっても美味しいんだよ。」

「楽しみにしといて。」


 ミーはマーマパイが好きだとか、他愛のない話をしていた。名もない子からの返事はないけど、無理に返事を求めていなかった。両方の食事は終わりミーは、ご馳走様と言う。


「ご馳走様でした!。」


「ご、ご………。」


 名もない子は、ご馳走様を言いたかったみたい。

 久しぶりに喋るから…でも彼女が手を合わせてる真似はしてるんだよね。


 周りの目を気にしていたし、緊張は凄かったでしょうに。名もない子は、次は何をするのかミーをよく観察していた。


「ねーねー。」

「2階の部屋で遊ぼうよ。」


「………。」


 名もない子は、遅れて頭を縦に振り、うん。と返事を返した。


「私が知ってる遊びがあるんだけどね。二人じゃないと成立しないんだ。だから君と遊びたいの。」

「気になるでしょ。」


 また遅れて頭を縦に振った。


「今から行くよ。」


 ミーが立ち上がり、名もない子は慌てて立ち上がった。


 二人は、2階まで行こうと扉まで向かったら、何かが飛んでくる。食べかけのドラゴンズッキーニだった。投げられたそれは、ミーの背中に直撃している。


 周りの子供達がクスクスと笑っていた。

 投げた人物が手に取るように分かる。他の子供達のように笑わず腕を組み生意気にニヤついているラルフだった。


 ミーは頭に来て、やり返しに行こうとしたが、ミーの服が小さく引っ張られていた。怒らないでほしいのか、これ以上目立ちたくないのか、それともミーまで傷つけられるのが怖いのか。だが、後者の方だろう。


「チッ…。行こ。」

「こんな奴ら相手してもしょうがない。」


 二人が扉を超えてから、ラルフは貴族の子供だからなんだと言い放った。子供達は、また笑った。



 二人が2階まで登り部屋に着いた。


「あいつほんとうざいな…。」

「ここが私達が使う部屋なんだ。皆んなと混合なんだね…それって最悪じゃん。」


「………。」


「君は、いつもどこで寝てるの?」


 名もない子は、寝床を指差した。

 皆んなとは、違う寝床だった。


 薄くてボロボロになりながら、所々千切れている汚いブランケット。それが一枚だけで、下には何も敷かれていない。硬い床で寝ていたみたいだ。しかもベットとべっとの小さな隙間のスペースだった。


 ミーは、それを見て絶句していた。


「こ…こんな…こんなので…寝ていたの?」

「ここが君の寝る場所なの?」


「………。」


「……分かった。」

「私のベットがここに置いてあるみたいだから、私と一緒に寝ようね。」


「………。」


「分かった?ここだよここ?」


「………。」


「それじゃ〜。私が言ってた遊びしよっか。」



 ミーは、何して遊ぼうか周りを見渡した。私が知っている遊びとか言っていたが、何も考えてなく、周りで使えるような遊びを見つけては、それで遊ぶと考えていたみたい。丁度に玩具箱の隣にある積み木に目をつける。


「じゃーん! これで遊びます!」


 ミーは、床に積み木を広げた。

 カラコロと音が鳴る。


「これを使って、お家を作るんだよ!」


「………。」


「私が作ってもいいし、君が作ってもいいし、二人で作ってもいいよ。」

「でも、絶対に二人で作った方が楽しいと思う。私達で理想のお家作ろうね。」


 ミーは赤い積み木を一つ手に取ると、床に置いた。


「ほら、こんな感じ!」


 名もない子は、積み木を見つめていた。どうすればいいのだろう。何をすれば、怒られないのだろう。失敗したら、どうなるのだろう。そんな考えしか浮かばなかった。


「……あれ? 難しかった?」


 ミーは首を傾げる。

 気まずそうな空気が流れた気がした。


「…じゃあ、まずは一個だけ置いてみよう!」


 名もない子は、ビクッと反応して、遅れてゆっくりと手を伸ばした。小さな手が、青い積み木をつかむ。そして、ミーの置いた赤い積み木の隣に置いた。


「………。」


「うん! できたね!」

「ねえねえ、次はどれにする?」


 彼女は、色とりどりの積み木を彼の前に並べた。


「好きなのを選んでいいよ!」


 好きなものを選んでいい。

 そんなことを言われたのは、初(・)め(・)て(・)だった。彼は、目の前の積み木を見つめた。しばらく迷ったあと、彼は黄色い積み木に手を伸ばした。


 ミーは何も言わず、彼がそれを置くのを待っていた。


 ―そうしてる内に家が完全した。

 完璧ではないが、できている。


「家できたね。」

「どう?楽しかったでしょ。」


「………。」


 気のせいだろうか、少し…ほんの少しだけ名もない子の口角が上がっていた。楽しかったみたいだ。それから、二人は積み木で色んなのを作った。


 そうしてる間に暗くなってくる。

 もう遊びの時間が終わりに近づく。


「もう暗くなって来たね。片付けよっか。手伝って。」


 ミーは、積み木を手に取り元の位置に戻した。それに続いて名もない子も積み木を拾い元の位置に戻した。


 積み木を片付けた丁度に晩御飯の合図が来る。

 それを聞きつけた子供達が走りながら向かう音が聞こえた。


「あっ、もう晩御飯だ。」

「早く行かないとやばいよ!」


 ミーは、走って下に降りた。名もない子は、まだ向かわない。行っても意味がないから。


「早く行かないとマーマパイ食べれないよ!」


 名もない子は、慌てて急ぎながら下に降りる。廊下から、濃くて良い匂いがした。扉を越えると、ミーと数人の子供達が座っていた。


「待ってたよ。ここ座って。」


 名もない子は、自分の席に座る。


 今回の晩御飯は、夕食の時に出ていた同じパンと、種類がバラバラの豆類に安物のシャインキャベツ…最後はオート米だ。そして食後のデザートにマーマパイが来る。


 ご飯が出されてから、少し遅れて全ての子供達がやって来た。


「今日は、肉なかったか。」


「でも豆は、好きだよ。味がバラバラで飽きない。」


 子供たちは、席に着いて食事にありついた。


「私達も食べるよ。」


 二人は食べ始めた。

 初(・)め(・)て(・)いっぱい食べた名もない子は、目が潤っていた。


 全員の食事が終わり、デザートがくる。木の小皿に用意されたマーマパイ。それが食卓の上に乗る。


 その焼き立てのマーマパイは、黄金色に焼き上がっていた。表面が艶やかで、ところどころに美しい焼き色がついている。


 鼻腔を刺激する匂いに迷わず名もない子が齧りついた。サクリと音が鳴り、外側は香ばしく、内側はしっとり。噛むたびに芳醇なバターの香りが鼻を抜け、たっぷりと詰まった甘いフィリングが舌の上でとろけていく。


 名もない子の顔には、瞳からゆっくりお落ちていく涙が出ていた。美味しそうに食べている。


「美味しすぎて感動するでしょ。」

「私も食べちゃおー。」


 サクリ。



 なぜだろうか…どこか懐かしの味がする。

 自分が経(・)験(・)したことのない味だ。


 なぜか分からない…なぜか分からない…。

 なぜ…涙が出るんだ…。


 この気持ちが分からない…。

 分からない…。



 二人は、デザートを完食した。

 デザートは別腹みたいだ。だけど、視線はまだまだ感じるだろうね。ラルフが凄い見てるから。


「ふぅーご馳走様ー。」


「ご………さ…。」


「もう食べたし戻ろっか。」


「………。」



 二人は、部屋に戻る。後ろから何か投げられないか後ろをチラ見しながら戻った。今回は投げられなかったみたい。


「わーい。」


 ボンッ


 ベットの上に飛び込んだ。


「君も来てよ。」


「………。」


「なにしてるの?あの硬い床で寝るの?」


「………。」


 硬い床で寝るみたいだ。ミーのとこに近づかない。


「…なら分かった、お休み。」

「また明日遊ぼうね。」


「………。」


 名もない子は、立ち尽くしている。

 行こうか迷ってるみたいだ。


「来る?こっちの方が暖かいよ。」


 名もない子は、一歩一歩と鈍く進んだ。

 そして、ベットの端に座る。


「そんなんじゃ寝れないよ笑」

「中に入りなよ。」


 ミーは、ブランケットをパサッと広げた。一人分は入るスペースだった。名もない子は、その中に入る。


「どう?これ使い回しみたいだけど少しモコモコしてるでしょ。暖かい?」


「………。」



 暖かい…暖かいよ。

 とっても暖かい…。


 こんなに暖かいのは初(・)め(・)て(・)だ…。

 なんで自分に暖かさをくれるのか分からない…。


 信用していいのかな…。

 でも…この暖かさが消えるまでは…。


 自分は…暖かさを貰うと自分が分からなくなる。

 なぜだが分からない。


 自分ではないと感じるんだ。

 心の底から―

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!。


少しでも面白い!続きが読みたい!と思っていただけたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!皆様からの応援が、執筆の大きな励みになります。

これからも【名もない赤子】をよろしくお願いいたします!。

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