↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

第三話 僕は、寂しさを知る。

⬛︎⬛︎は、⬛︎かく、⬛︎を⬛︎つめる。

その⬛︎⬛︎⬛︎は、⬛︎しい⬛︎⬛︎⬛︎だった。

ならば⬛︎は、⬛︎⬛︎によって⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎、⬛︎しくない⬛︎⬛︎⬛︎だった。

【189年2月6日】


 名もない子は、目を覚ますとジャン=マルクは、見当たらなかった。部屋を出て廊下を見渡す。いつも通りに聖騎士だけが居た。


「ねぇ。パパ、知らない?」


 聖騎士は、目線を逸らす事なく何も反応を示さない。

 いつも通りにの時間に、朝食の合図が流れる。


「主様〜!ご飯でわさよー。」


「はーい。」


 ダイニングに行くと、食卓の上に豪華な食事が用意されていた。マンブリーノの肉団子、サルトフィッシュのバジル焼き、ロールパン、蜜柑ジュースだ。



「野菜だ…野菜嫌い…。」



 名もない子は、野菜を嫌うと料理長のワキムは、我儘言うなと言った。それでも、名もない子は、野菜だけは残して、すぐにダイニングから出ていった。



「勿体無い…。次は、どんな工夫をして野菜を食べさせるか………細かく切ってから、スープに紛れ込ませて飲ますのもいいが、それでは野菜を克服してくれない…。困った…。」



 名もない子は、図書館がどこにあるのか分からない。いつもジャン=マルクが絵本を持ってきてもらうため、部屋の外など食事を取る時以外に、滅多に出ない。そして、名もない子は、廊下の端っこで立っている聖騎士に頼み事を言う。


「そこの騎士さん。図書館行きたい。」

「図書館どこ、教えて。」


 聖騎士は、何も反応を示さない。


「困ってるの、助けて。」


 聖騎士は反応して、了解のポーズを取る。それから、名もない子の前に立つ。


「教えてくれるの?やったー。」

「今から出発、騎士さん、出発出発ー。」


 ガチャガチャと音を立てながら歩いていた。廊下にいる聖騎士達が、名もない子を連れている聖騎士を長々と見ている。数分歩いて図書館に着いた。


「広ーい。騎士さん騎士さん。絵本、どこ?」


 聖騎士は、ちょうどここにありますよと、十歩歩く。名もない子では、取れない高さの段から絵本を3冊取った。


「ありがとう。名前教えて、お礼したい。」


 聖騎士は、辺りを見渡してから、膝を着き、名もない子の目線を合わせて言った。ヘルメット越しだが、お互いが見つめ合っていた。


「クリスです。お礼なんて要りません主様。」


 雑音を聞きつけた司書が、こちらに来たみたいだ。 足音が聞こえる。


「何の音かと思ったら…ちょっと何してるの!そんな鎧で図書館に入らないでください!」


「ぁぁ!これは、主様のために入っていて―」


「それなら私に許可もらってから入ってくださいよ…。主様に関わったのですか?!」


「すみません。ナーシャ様。」


「あと、主様とか言ってますけど、見当たりませんよ?嘘ついたのですか?。嘘なら嘘で良かったですけど。」


「え?………あぁ〜…えとーー。」

「はい……勝手に入り、すみませんでした。」


「はぁ…しょうもない嘘をつかないでください。なぜ入ったか詳しく聞きませんが、ペナルティとして追加しますからね。覚えておいてください。」


「そんなぁ…。」



 名もない子は、危機を察知して素早く本棚の裏に隠れていた。悪びれる様子もなく、急いで部屋に戻りましたとさ。




【189年2月8日】


 名もない子は、クリスに謝りに行く。2日前に起きた事が、悪い事だと理解したみたい。それから、あの時と同じ身長の聖騎士に声をかける。


「クリス…?」


 聖騎士は、反応して下を向く。一発で探している人を当てたみたい。


「あの…ごめんなさい。これ…。」


 名もない子は、朝食で食べるはずであったクロワッサンサンドを持っていた。これを謝罪としてあげるみたい。


「ぁぁっ。ちょっとちょっと主様、そういうのは、廊下でやらなくても…ぼ、僕は受け取れませんよ。」


「クリスは、要らないの?ごめん足りなかった?。」


「い、いえ!主様が謝る事ではありません!。僕が、育神官ではないのに、関わってしまったからです!。あ………。」


 クリスは、口を滑らせてしまった。悪い影響を与えないために、訂正する。


「私は、怒られても良い覚悟で主様を助けただけのことですから。どんな事が起ころうとも、人を助けるのが騎士の定めです。その食べ物は、主様が食べてください。何一つ気にしなくても良いのです。ですが、主様がここまでして謝られたのは、深く感動しました。まだ4歳なのに、素晴らしい威厳です。」


「褒めてるの?」


 名もない子は、クロワッサンサンドを一口食べる。


「もちろんとも!褒める所しかありません。」

「あと、用事があったことを思い出したので行きますね。ありがとうございます主様。」


 クリスは、用事など無いのに、名もない子から逃げていった。それが聖騎士としての最善だからだ。聖騎士と名もない子が触れ合っているのを密告されれば、異端と認定され、ヨハネの聖騎士に処刑される。そんなリスクを背負うことはできない。


「行っちゃった…。」


 名もない子は、もうちょっと話したかったようだ。聖騎士と遊ぶ予定が消えたので、図書館に向かう。


「確か、ここの道…あった。」


 大きな扉は閉まっている。なんとか、ドアノブに届いたが、4歳の体では開けられない。名もない子は、諦めて部屋に戻った。今回は、聖騎士に頼らなかったみたいだ。


 部屋に戻ってから、ジャンに読み聞かせしてくれた絵本を読み返す。ぜ(・)ん(・)ま(・)い(・)仕(・)掛(・)け(・)の(・)眠(・)り(・)の(・)王(・)と灰(・)色(・)の(・)王(・)様(・)と(・)白(・)い(・)花(・)。もう読み飽きたみたい。何もすることがなくなり、机の上にある、人形を手に取り、怪獣ごっこをしていた。木製の悪魔の人形と、木製の聖騎士の人形。木の人形がぶつかり合い、霞んだ音がつ、つ、と鳴り続けたのさ―




【189年2月9日】


 扉の隙間から、明るく光が漏れている。扉からコンコンと音がした。名もない子は、その音で起きる。扉を見ると、真下に紙が置いてあっ。誰が置いたのか分からない。その紙を拾いに行き、手に持つと文字が書いてあった。



 ―主様へ。一人で寂しいと思いますが、我慢してください。明日は、主様と共に過ごす人が現れます。もしかしたら知っている人かもしれません。それと昨日は、構ってあげられず申し訳ない気持ちです。なので、本を10冊も用意しました。扉を開けて右を見ると置いてあります。どうぞ、これからもヨハネによろしくお願いします。親愛なる隣人より。―



 読み終えて扉を開いた。右を見ると扉の隣に10冊も本が置いてある。その内の1冊は、図鑑だった。10冊の本を部屋の中に置き、初めて見た図鑑に興味を唆られた。


 中央には、見たこともない動物の絵が書いており、獣図鑑と書いてある。ページを捲ると、そこには新しい世界が広がっていた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!。


少しでも面白い!続きが読みたい!と思っていただけたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!皆様からの応援が、執筆の大きな励みになります。

これからも【名もない赤子】をよろしくお願いいたします!。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。