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第五話 僕は、変えられると思っていた。

彼は…。⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎となり⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎になる。⬛︎てを⬛︎⬛︎し⬛︎⬛︎を⬛︎える。⬛︎⬛︎⬛︎は⬛︎⬛︎⬛︎であり、⬛︎⬛︎は⬛︎⬛︎を⬛︎える。それが⬛︎⬛︎し、⬛︎⬛︎⬛︎が⬛︎⬛︎する。

【189年6月31日】


 今日は、いつものように授業をしていた。

 内容は、恋について。

 名もない子には、まだ要らない知識だが、これが後に大きな結果を呼んだ。



 授業が終わり、クリスの方へ向かう。クリスは、庭にある花畑に居た。名もない子は、草に隠れて話をする。


「しー。クリス?クリス?」


「…なんでしょうか。」


「僕が恩返しする番だよ。」


「見返りなんて大丈夫ですよ主様。僕は、主様が困れば助けるだけの優しい人で―」


「ナーシャと付き合いたいんでしょ?」


「詳しく聞かせてください主様。あとなぜ、ナーシャ様のことが好だって知ってるのですか?。」


「今日ね、ナーシャ先生に、恋についての授業をしたんだ。それでね、クリスは、ナーシャ先生の事が好きだって分かったんだ。」


「そうですか…。ナーシャについて話し過ぎたようですね…。それで、どうしたら付き合えますか?」


「聞きたい?聞きたい?」



 名もない子は、ナーシャ先生と共にいる時間はあったが、一人の時間があれば、クリスと話していた。クリスは、ナーシャについて熱く語ったり、ナーシャが関連するポエムなどを作って、名もない子に聞かせていた。それが、後にクリスは、恋をしていると理解したんだ。



「クリスは、ナーシャ先生にアタックするべきだよ。」


「そういう感じですか…。アタックは、してるんですけどねぇ…。言い終わる前に、行ってしまうんでます。」


「それは、クリスがナヨナヨしてるだけだよ。もっと自信持って行こ?」


「やはり、主様もそう思いますか。流石です!振り返ってみると、アタックなんてしてませんでした!。」



 絶対に、その問題ではないと思うが、アドバイスを受け続けていた。本当に成功するのだろうか。




【189年8月5日】


「今なら行けるクリス。この花を持って話しかけてみて。」


 名もない子は、白い花…ホワイトローズを一本クリスに渡した。


「え…ほ、ほんとにいけます?あとホワイトローズの花言葉ってなんですか。少し気になります。」


「一本だけだけど、意味は一目惚れとか、貴方しかいないだよ。ロマンチックじゃない?」


 クリスは、一回深呼吸した。


「もう告白じゃないですか…。」

「こんな急に…本当に成功するんですか?…」


「できるって、信じて?」

「ナーシャに会いたい人がいるから庭で待っててって言ったらね?ナーシャは、分かりましたって笑顔だったんだよ?。」


「…………ありがとうございます……主様…。」


「ほら行って!」



 クリスは、重い足取りで庭に向かった…。これが正解なのだろうか…。名もない子は、クリスを見守るように陰で見守る。



 ナーシャは、庭にある椅子に座っていた。周りは色々な花に溢れている。デートスポットとしては、良い見栄えの風景だ。クリスは、一本の花を背中で隠しながらナーシャに近づいた。



「貴方だったんですね。私に会いたかった人は。」

「それで?なんの用なんですが?私は、主様のお願いできましたが、主様を誑かして、こんな事を要求したのですか?。」


 状況は、最悪だ。ナーシャは、これからクリスに何されるか分かっている。…洗いざらい言おうか迷うクリスの手には、強く握られた一本の花だけだった。


「主様を誑かしてなんかいません…。主は、僕の友人であり、僕の背中を押してくれたんです。主は、誰にでも手を差し伸べようと頑張る姿勢は、全ての父のようで、どことなく優しい暖かさを感じさせます。主は、僕の幸せを願って…願って……。」


「クリス…聖騎士なのに、主様と仲良くなったの?…もしこの会話を誰かに聞かれてでもしたら…その時には…主様を悲しませるのよ…。そんなことをしてまで私を呼ばないでちょうだい…。貴方が居なくなるなんて見たくない。」


「ごめんなさい。元々は、主様の計画でして…僕が欲深いために…もう帰りますね…。ごめんなさい。」



 クリスは、後ろを振り返り歩いた。

 ナーシャは、心配そうな顔をしていたが、クリスの背中には、たった一本の花が見えていた。ナーシャは、それを見て笑いが溢れる。



「プッ…クリスったら。」

「隠すの忘れてるじゃないですか。とっても緊張してたんでしょうね。よく頑張ったねクリス…。」



 クリスは、下を向いたまま歩いていた。全てが終わった感じがするクリスに近寄る名もない子。


「ごめんねクリス…僕なら、できると思ったんだ。」


「主様は、悪くありません。僕の背中を押してくれたじゃないですか。付き合う前は、日常の会話をするのが効果的だったり、付き合えたらのデートプランを、よく考えてくれたり。心が踊る素敵な思い出を作ってくれた主様には感謝です。上手くいかなかったのは僕自身が駄目駄目なだけで。」


「ほんとにごめん…僕が急かし過ぎた…。」


「いいえ、僕に挑戦を与えてくださった。主様が居なければ、僕は、こんなにも進んでいませんでした。ですが、もう主様と関われそうにないです。」


「ぇぇ。なんで、もう嫌いになった?」


「嫌いになんて思ってません。…前にお伝えしたように、僕の様な聖騎士は、育神官と同等の役割じゃないと関わっては駄目なんですよ。ですので…これが最後になるかもしれません。」


「そうなんだ…。無理に付き合わせてごめん。」


「自分を責めないでください。僕が主様と遊べる日は、16年後ですかね…。でも、どうしても寂しければ、手紙でやり取りしたかったですが…規律は、守らなくては。」


「うん…。今までありがとう…。」

「大好きだよクリス。マルクおじさんの寂しさを埋めてくれてありがとう…。」



 名もない子は、部屋に戻った。最後の最後には、別れの敬礼をするべきか迷うが、しない方が良いと判断したのだろう。それが永遠の別れだと思われない様に。




【189年8月8日】


 名もない子は、授業を受けていた。計算の授業だ。


「解くスピードが落ちてますよ?今日は、どうしたのですか主様。」


「何にもない…。」


「クリスさんのことですよね?」


「………うん。」

「僕が、クリスのことを…棒に振っちゃった…。」


「棒に振ってなどないですよ。私も………す、…好きですし。」


「?………そうなの?!クっ、クリスに言わないとっ!。」


「あっ!こらっ!駄目です!言わないでっ!」


 突発的に飛び出した名もない子を全力で制止した。


「駄目ですから…はぁはぁ……言わないで…」


「なんで駄目なの。お互いが好きなら、もう付き合えばいいじゃんか。」


「お互いが好きでも…付き合っては駄目なんですよ。絶対に駄目なんです…。」


「規律が邪魔してるの?。そんなの縛られてるだけじゃん…。そんなのおかしいよ。」


「育神官が、人と付き合う行為など…持っては駄目なんです…。私は、育神官。主を育てる事が使命…。親の役割を担う人が、誰かと関係を持っては駄目なんです。」


「さっきから、駄目駄目って。何が駄目なの…規律なんて無視すればいいじゃん。この規律なんて教皇が付けただけの縛りに過ぎない!。」

「僕が…教皇に付き合わせることをお願いしたら、できるかな?。」


「主様…下手なことをしないでください。そんな事で、私達二人が異端となれば…もう会われないのですよ?。だから…もうこの話は、無かったことにしてください。」


「…分かった。そうするね。もう余計な事はしない様にする。」


「それでは授業に戻りましょうか…正の数と負の数の続きです。」



 規律…乱れないために産まれた物。名もない子は、社会の厳しさなど分かる年ではない。理解する年になるのは⬛︎⬛︎年後だろう。その時が訪れば、彼は…。



「あの…すみませんクリス。ちょっといいですか?」


「あっはい!なんでしょうかナーシャ様っ!」


「しっー。声が大きい。ちょっと来て。」


「あわわっ。」


 クリスは、ナーシャに個室の部屋に連れてかれた。


「あの…僕…えと…ここで?す、するの?」


「何を言っての???。」

「主様のことに関してで―」

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!。


少しでも面白い!続きが読みたい!と思っていただけたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!皆様からの応援が、執筆の大きな励みになります。

これからも【名もない赤子】をよろしくお願いいたします!。

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