春夏秋冬〜四度目の茶会で、私は離縁状をお出ししました〜
最終エピソード掲載日:2026/05/22
夫の隣には、いつも義妹が座っていた。
私はヴァルトハイム侯爵家の若夫人。年に四度の茶会を主宰し、家計も贈答も招待状の宛名も、私の机の上で整えてきた。
「彼女は家族同然なんだ」
「君なら分かってくれるだろう」
夫はそう言って、当主の隣を妹に譲り、私の名のとなりに妹の名を並ばせた。
私は怒らない。怒鳴らない。
ただ、春の招待状に並んだ二つの名前を見て、初めて、その言葉の重さに気づいただけだ。
義母様だけが、私を見ていた。
机の引き出しの帳面に、四つの空白の欄を空けて。
そして、書斎に届く紺色の封蝋。
公務には使われない色で、私の名だけに宛てられた、誰かの便り。
春、夏、秋。私は微笑んで、席を譲り続けてきた。
冬の茶会の朝、私は何を選ぶのだろう。
茶器の下に挟む一通の書状で、家の何が、変わるのだろうか。
私はヴァルトハイム侯爵家の若夫人。年に四度の茶会を主宰し、家計も贈答も招待状の宛名も、私の机の上で整えてきた。
「彼女は家族同然なんだ」
「君なら分かってくれるだろう」
夫はそう言って、当主の隣を妹に譲り、私の名のとなりに妹の名を並ばせた。
私は怒らない。怒鳴らない。
ただ、春の招待状に並んだ二つの名前を見て、初めて、その言葉の重さに気づいただけだ。
義母様だけが、私を見ていた。
机の引き出しの帳面に、四つの空白の欄を空けて。
そして、書斎に届く紺色の封蝋。
公務には使われない色で、私の名だけに宛てられた、誰かの便り。
春、夏、秋。私は微笑んで、席を譲り続けてきた。
冬の茶会の朝、私は何を選ぶのだろう。
茶器の下に挟む一通の書状で、家の何が、変わるのだろうか。
第1話 春の茶会、招待状に並んだ名前
2026/05/22 11:32
第2話 義母の帳面、四つの空白欄
2026/05/22 11:32
第3話 辺境伯領からの使者
2026/05/22 11:32
第4話 夏の茶会、当主の隣
2026/05/22 11:32
第5話 秋の贈答品、選定の夜
2026/05/22 11:32
第6話 秋の茶会、誰のための贈り物か
2026/05/22 11:32
第7話 決意の朝
2026/05/22 11:32
第8話 冬の茶会、茶器の下の離縁状
2026/05/22 11:32
第9話 協議の二ヶ月、崩れていく家
2026/05/22 11:33
第10話 もう一度、最初から書きます
2026/05/22 11:33