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春夏秋冬〜四度目の茶会で、私は離縁状をお出ししました〜  作者: 九葉(くずは)


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第1話 春の茶会、招待状に並んだ名前

春の朝、私は招待状の控えを十二回数え直した。

最後の一枚をめくる時、指先が乾いた紙の角にわずかに引っかかる。書斎の窓から差し込む光は刺繍の糸ほどに細かく分かれて、机の上を渡っていった。


「奥様、こちらの控えで間違いございません」

マルテが私の隣で、もう一度名簿を読み上げてくれた。

彼女は私が実家グリーンウッド子爵家から連れてきた侍女頭で、私より二十七も年上の、けれど決して急かさない人だ。


控えの一枚目はライヒャルト伯爵夫人。二枚目はエーレンベルク侯爵夫人。三枚目から十二枚目までは、王都の主だった夫人方の名が並んでいる。


「マルテ、見落としていたところはあった?」

「いいえ、奥様」

「ありがとう。あなたが見てくれると、いつも安心する」


マルテは小さく頷いて、私が三度確認した束を、控え棚の所定の場所に戻した。角は一枚も折れていない。


ヴァルトハイム侯爵家に嫁いで、十一ヶ月になる。

年に四度の茶会の主宰は、若夫人である私の役割。家政と贈答管理も、領地への手紙の返信も、私の机の上にある。テオドリック様には、もっと大事な当主の務めがあるのだから。


二度ほど深く息を吸ってから、私は朝食室へ向かった。


朝食室の銀器は磨かれすぎていて、少し笑ってしまうほど光を返してくる。卵料理の湯気が立ち上る、その向こうから銀のフォークが光を奪い返してきた。


「シビラ、無理して食べなくていい」


テオドリック様の声で、私は顔を上げた。

向かいの席で、義妹のシビラ様が固まっている。皿の上の卵は、まだ手をつけられていない。


「だって、お兄様。今日は初めての茶会のお手伝いだから」

シビラ様は震える声で言って、フォークを取り直した。十九歳の細い手が、関節のところで白くなっていた。


「大丈夫だ、シビラ。お前は座っているだけでいい。あとはライラに任せれば全部上手くいく」

テオドリック様はそう言って、妹の肩に手を置かれた。


私は自分の皿の縁を見た。それから、義母様の方を見た。


義母様はいつものように静かに紅茶を召し上がっている。ただ、口を開けば「いってらっしゃい」とおっしゃるはずの微笑みが、今朝はどこにも見当たらなかった。紅茶のカップの位置が、ほんの少しだけ、いつもより遠い気がした。


「シビラ様、招待状の宛名書きを手伝ってくれて、ありがとう」

私は微笑んで言った。


シビラ様の顔がぱっと明るくなって、その明るさが部屋の温度を少しだけ上げた。テオドリック様も嬉しそうに頷かれる。


義母様だけが、ティーカップに目を落としたままだった。


大広間の支度は、滞りなく整った。

私が選んだ茶器、私が決めた席次、私が二度確認した招待客の名簿。そして、私が三度数え直した控えに従って、案内係が玄関で来賓を迎える。


「ようこそ、お越しくださいました」

私が頭を下げると、最初のお客様であるライヒャルト伯爵夫人のマチルダ様は、扇を畳んで微笑まれた。


それから、視線をほんの少しだけ私の隣に動かして、こう言われた。


「シビラ様、こちらは今年最初の主宰でいらして?」


その問いが私の耳に入るより少しだけ早く、シビラ様の頬が紅潮する。答えに詰まる気配。


そして、その沈黙の中で、私はようやく違和感に気づいた。


私が三度確認した控え。マルテが二度読み上げてくれた名簿。そのどちらにも書かれていなかったはずの、もう一つの差出人の名が、招待状の表に並んで書かれていた。


ヴァルトハイム侯爵家若夫人 ライラ

ヴァルトハイム侯爵家令嬢 シビラ


二人の名が、招待状の右下に並んでいる。

角の折れた一枚——シビラ様が朝、「お手伝いしました」と差し出してくれた、あの控えの版が、そのままお客様方の手元に届いていたのだ。


「私……」

シビラ様の声がかすれる。

マチルダ様は扇の角度をほんのわずかに変えられた。隣に立っていた老侯爵夫人が、扇の陰で小さく頷くのを、私は目の端で捉えた。


「シビラがよく手伝ってくれましたの。妹を立てていただけて、感謝しております」


私の代わりに答えたのは、シビラ様の隣に進み出たテオドリック様だった。彼は何のためらいもなく笑って、マチルダ様に会釈をされた。


マチルダ様は何も言わず、「では、また後ほど」とだけ言って、大広間の中央へ歩いていかれる。


私はテオドリック様を見た。彼は私に目を向け、満足そうに微笑まれる。


「ライラ、シビラを立ててくれてありがとう」


茶会そのものは、滞りなく終わった。

私が選んだ茶葉が淹れられ、私が決めた席順で皆さまが召し上がり、私が用意した手土産を、シビラ様が皆さまにお渡しした。


「シビラ様の選択?」と二度ほど尋ねられて、シビラ様は二度ともはにかんだ笑みで答えを曖昧にした。私はその二度とも、隣で何も言わなかった。


見送りの時、私は玄関広間の入り口に立った。マチルダ様は出ていく前に、私の手を一度だけ握って、何も言わずに馬車へ向かわれた。強い力ではない。ただ、握り返さなくていいと言われた気がして、私もただ頷いた。


最後の馬車が遠ざかると、玄関広間にはもう来賓の影はない。シビラ様はもう自室へ戻られたあと。テオドリック様も、別の用件で書斎へ向かわれていた。


「奥様」

マルテの声がした。


彼女は控えの間で、義母様にお茶を運んでいるところだった。義母様のカップへ湯気が立ちのぼる、その向こうで、マルテが何かを一言だけ口にする。聞き取れない声で、けれど確かに、口を動かしていた。


義母様がほんの少しだけ目を伏せられた。それから、初めて今日、私の方を見てくださった。


何も言われなかった。ただ、紅茶を一口召し上がっただけだ。


私室に戻って、化粧台の前に座る。首飾りを外す指が、自分のものとは思えないほど遅く動いた。鏡の中の自分は、いつも通り、礼節を尽くした若夫人の顔をしている。


机の上に、シビラ様が朝に差し出してくれた控えの一枚が残っていた。角がわずかに折れている。私の控えは、十二枚とも、一枚も折れていなかった。


「家族同然」


テオドリック様がよく口にされる言葉だ。彼にとって、それは大事な言葉。妹を守るための言葉。私もずっと、そういうものだと思っていた。


家族同然なら、招待状の差出人欄に、私と並んで名前が書かれてもいい。

家族同然なら、茶会の手伝いをして、その手柄を受け取ってもいい。

家族同然なら、私の役割の隣に、もう一つ椅子を置いてもいい。


私は控えの一枚を、机の引き出しの奥にしまった。

角の折れた紙の感触が、指の腹にしばらく残った。

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