先生の遺書を、まだ読まない ――「こころ」の悲劇を知る私だけが、先生を止められるはずだった。
最新エピソード掲載日:2026/06/04
現代の高校生・小林葵は、現代文の授業中に夏目漱石『こころ』を読み、先生とK、そして奥さんの抱える痛みに涙を流してしまう。涙が教科書の頁に落ちた瞬間、葵は鎌倉の海に立っていた。そこは、先生と「私」が出会うはずの『こころ』の世界だった。
葵は原作の結末を知っている。Kは死に、先生は遺書を書き、奥さんは真実を知らされないまま残される。そんな悲劇を変えたいと願う葵だったが、出会った先生は初対面のはずの彼女を知っているように見つめる。さらに先生の妻・静もまた、葵を覚えているかのように手を差し伸べる。けれど二人は、葵がまだ知らない言葉を決して語らない。
原作知識を頼りに動く葵は、先生の孤独、Kの弱さ、静の沈黙に触れていく。しかし、知っているはずの物語は少しずつ食い違い、救いたいという思いは先生とKの心まで揺らしてしまう。
恋は罪なのか。黙ることは誰かを守るのか。
死後に届く遺書ではなく、生きているうちに言葉を渡すため、葵は沈黙で閉ざされた『こころ』の結末に抗う。
葵は原作の結末を知っている。Kは死に、先生は遺書を書き、奥さんは真実を知らされないまま残される。そんな悲劇を変えたいと願う葵だったが、出会った先生は初対面のはずの彼女を知っているように見つめる。さらに先生の妻・静もまた、葵を覚えているかのように手を差し伸べる。けれど二人は、葵がまだ知らない言葉を決して語らない。
原作知識を頼りに動く葵は、先生の孤独、Kの弱さ、静の沈黙に触れていく。しかし、知っているはずの物語は少しずつ食い違い、救いたいという思いは先生とKの心まで揺らしてしまう。
恋は罪なのか。黙ることは誰かを守るのか。
死後に届く遺書ではなく、生きているうちに言葉を渡すため、葵は沈黙で閉ざされた『こころ』の結末に抗う。
上
第1話 現代文の教室
2026/05/19 18:10
(改)
第2話 鎌倉の海
2026/05/20 17:50
(改)
第3話 西洋人と先生
2026/05/21 18:10
第4話 奥の狭い部屋
2026/05/22 18:10
第5話 眼鏡
2026/05/23 18:10
第6話 愉快ですね
2026/05/24 18:10
第7話 仮の行き先
2026/05/25 18:10
第8話 東京へ
2026/05/26 18:10
第9話 変わる本文
2026/05/27 18:10
第10話 三浦春
2026/05/28 18:10
第11話 雑司ヶ谷へ
2026/05/29 18:10
第12話 友達の墓
2026/05/30 18:10
第13話 墓参りと散歩
2026/05/31 18:10
第14話 淋しい人
2026/06/01 18:10
第15話 天罰
2026/06/02 18:10
第16話 誤解
2026/06/03 18:10
第17話 あるべきはず
2026/06/04 18:10