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『極上の手製(デトックス)をあなたに〜元伯爵夫人のコンニャク農園奮闘記〜』

作者:かおるこ
最終エピソード掲載日:2026/08/02
伯爵夫人エルナは、十年間にわたり領地経営から使用人の管理まで引き受け、浪費家の夫レイモンドを支えてきた。ところがレイモンドは、妻の働きを当然のものと考え、若い愛人に入れ込んだ末に離縁を言い渡す。

慰謝料代わりに押しつけられたのは、石だらけの荒れ地と、倉庫に残されていた不気味な芋だけ。

「伯爵夫人だった君に、土を掘る暮らしなどできるものか」

勝ち誇る元夫を前に、エルナは笑みを浮かべる。その芋は、母方の祖母から加工法を教わったコンニャク芋だった。生のまま触れれば強い刺激を引き起こす厄介な芋だが、正しく加工すれば、腹持ちがよく、さまざまな料理に使える食材へ生まれ変わる。

忠実な使用人マルタ、商機を見抜いた商会主バルド、山村の知恵を受け継ぐ農家の女性たちと力を合わせ、エルナはコンニャク作りに乗り出す。失敗を重ねて完成した「謎の灰色ブロック」は、やがて王都の貴婦人から庶民まで夢中にさせる大ヒット商品となった。

一方、エルナを追い出したレイモンドは、借金によって爵位も屋敷も失い、愛人にも逃げられていた。空腹のあまりコンニャク芋を普通の芋だと思って素手で調理し、地獄を見ることになった彼は、最後の手段として元妻の農園を訪れる。

「昔の情けにかけて、仕事をくれ」

しかし、待っていたのは復縁でも優雅な管理職でもない。芋洗い、鍋洗い、そして巨大な鍋を休まずかき混ぜる、過酷なコンニャク作りだった。

価値がないと捨てられた芋と、役に立たないと捨てられた妻。二つが王国の未来を変えていく一方で、労働を知らなかった元伯爵もまた、一杯の鍋から人生を学び直していく。

これは、元伯爵夫人が泥まみれの手で幸福と財産をつかみ、傲慢な元夫へ極上の「ざまぁ」と再出発を振る舞う、お仕事グルメファンタジー。
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